今年で50周年!ハワイファッションブランドのレジェンド、Nake‘u Awai Designs

空港からほど近い町カリヒ(Kalihi)。
住宅と商店が混在するエリア、小さなプラザの中に構えるオフィス兼ショップ、ナケウ・アヴァイ・デザインズ(Nake‘u Awai Designs)。
ここにハワイファッション界のレジェンドがいる。
85歳にして、今もなお現役で活躍を続けるファッションデザイナー、ナケウ・アヴァイ氏だ。
『ネイティブハワイアンとして初のファッションデザイナー』、『ハワイアンファッションの祖父』などと称され、業界内でも一目置かれる存在。
1973年にスタートしたナケウ氏のブランドは、今年で記念すべき50周年を迎える。
 ナケウ氏のユニークな歴史を紐解いてみよう。
ハワイアンの血を引く者のみが入学を許される名門私立校、カメハメハ・スクールを卒業後、シアトルの大学でドラマの学位を取得し、ニューヨーク、ヨーロッパ、ロサンゼルスでダンサーとして活躍していた。
ロサンゼルスでショービジネスのキャリアを積みながら、趣味で仲間のダンサーと一緒にマクラメを作っては、ビバリーヒルズのロデオドライブのショップに売ったりしていたというナケウ氏。
 そして、1960年代にダンスの振り付け師にすすめられて、ファッションデザインを目指すことを決意し、コスチュームデザインをスタート。
多くのハイウッドスターたちのファッションデザインを手がけたボブ・マッキー(Bob Mackie)やジーン・ルイス(Jean Louis)など、ファッション業界の重鎮の元で働き、マクラメを使って作ったベルトを、エルビス・プレスリーがラスベガスのコンサートで着用するなど、ファッションセンスはすでに光っていた。
経験を積んだナケウ氏は、故郷であるオアフ島へ戻り、自身のブランドをスタートさせた。
半世紀前の1973年のことであった。
 今でこそ、ハワイの植物や文化をデザイン化しプリントしたアパレルブランドが多数存在しているが、そのパイオニア的存在がナケウ氏であり、地元の生地スクリーン印刷工場を使って、ハワイ固有種や生息植物からインスピレーションを得たプリントを生産した。
これが、のちに「ハワイアンプリント」と呼ばれるようになり、ハワイのファッション業界のメジャーなスタイルとなるのは語るまでもない。
ホワイトジンジャー、シダ、ランタンハイビスカス、スパイダーリリー、アンセリウムやハラなど、ハワイで見かける植物のプリントを先駆けて行って…