ここ数年アップカミングアーティストの活躍がめざましいハワイ。
特にパンデミックになって失業をした人たちが起業したり、自分の作品をイベントやオンラインで販売し、活動の場を広げている様子を目にするようになりました。
レジンで可憐なハイビスカスを表現するオアフ島在住のアーティスト、アナ・ルシア・ガーデアザバル(Ana Lucia Gardeazabal)さんもそんな一人で、ピンチをチャンスに変えました。
アナ・ルシアさんは、メキシコ南部オアハカ出身。
ポップでカラフル、可愛らしい街並みが有名なオアハカで育ったアナ・ルシアさんは、子供の頃から絵を描くのが好きでした。
高校卒業後、大学進学のために留学生としてハワイに移住したアナ・ルシアさんは、美術史と、経済学の二つの学位を取得した才女でもあります。
2018年に大学卒業後、留学生のためのインターンシップ制度と経済学の専攻を生かして1年間ハワイの銀行で働きました。
その後、在学中にボランティアをしていたホノルル・ミュージアム・オブ・アート(Honolulu Museum of Art)の縁で、子供たちに美術を教えるクラスの講師アシスタントを経験し、大好きなアートの職に就くことができたものの、パンデミックが起きて失職。
アート制作に集中するようになりました。
パンデミックの最中、アナ・ルシアさんの愛犬ロメオを癌闘病中に失い、ロメオを思って制作したのが海と虹をテーマにした「レインボー・ブリッジ・タイド(Rainbow Bridge Tide)」というレジン(樹脂)とインクを使ったアートコレクションでした。
「今まで様々な画材道具を使って絵を描いてきたけれど、レジンは特別です。
油絵は、レイヤーを何度も重ねて終わりが見えなくなってしまい、完成させられなかったけれど、レジンは画材の特性上完成させなければならない。
限られた時間の中で、感情をアートに入れ込んでいくのです。
液体のレジンを完全にコントロールすることはできないのですが、自由に、流れに任せるかのように作り上げていく工程も楽しいですね」とアナ・ルシアさん。
愛犬ロメオの死をきっかけに、レジンの魅力にとりつかれたアナ・ルシアさん。
独学で、トライ・アンド・エラーを何度も繰り返して、作品に改良を重ねていきました。
そして今のスタイルが完成したのです。
パンデミックが落ち着いてきた頃には、レジン・アーティストと…