【徹底解説】カウアイ島のメネフネ伝説

ハワイ雑貨のお店で、可愛い小人さんのモチーフを見かけることはありませんか?
たいてい、親しみやすいキャラクターとして描かれていますよね。
それがカウアイ島に住んでいると言われる、「メネフネ」という小人さんたちです。
夜になると集団で山から下りてきて、みんなで働くユニークな存在。
今回は、メネフネにまつわる話をご紹介しましょう。

ハワイに最初に住みついたのが、メネフネ?!

メネフネはカウアイ島を故郷にする小人さんたちです。
ほかの島々にもメネフネの神話は伝えられていますが、もともとはカウアイ島に住んでいたと言われています。
実は、メネフネはハワイに最初に住みついた人たちのことを指しているとも考えられています。
もともとハワイには、タヒチのほうから人々が移住してきました。
何千キロも離れた場所に、なぜ移住してきたのかという理由は分かっていません。
彼らは食料難のために新天地を求めてきた人たち、戦いに敗れた人たち、罪人など、立場の弱い人たちだったのではないかという説もあります。
立場が弱いということが、体が小さいと表現されたというわけです。

見た目も性格もユニークな存在!

実際に移住してきた人たちがどんな人立ちだったのかは分かりませんが、ハワイの神話の中では、彼らはつぎのように伝えられています。
身長は1mぐらい。赤ら顔でだんご鼻、”だみ声”で話す・・・。
ハワイ雑貨で描かれているキャラクターのイメージとは、ちょっと違いますよね!
昼間は山の中に住み、夜になると山から下りてきて、みんなで役割分担をしながら、魚をとったり、石垣を築いたりします。
そして一番鶏が鳴く前に、山に戻ります。
性格はお茶目で陽気。みんなで歌ったり、食べたりして、楽しく過ごします。
神様というよりは、妖精のようなイメージでしょうか・・・・?!

メネフネ・フィッシュポンドに伝わる神話

さて、メネフネの神話で有名なお話をひとつご紹介しましょう。

昔むかし、カウアイ島東部は不漁が続いていました。
そこでその地を治めていたチーフは、河口にフィッシュポンド(養魚場)を造ることにしました。
そこで魚を育てれば、必要な時にいつでも魚を捕れるからです。
早速、石垣造りが得意なメネフネに、フィッシュポンドを造ってほしいと交渉します。
メネフネはフィッシュポンドを造ることを了承しました。
ご馳走を用意しておくことと、働いている姿を誰もみてはいけないというのが交換条件です。

約束の日に、チーフはメネフネのためにたくさんのご馳走を準備すると、村人たちに朝まで家から一歩も出ないようにと命じました。
そして自分も家の中に引きこもりました。
しばらくすると、山の上から何百人ものメネフネたちが降りてきました。
石や岩を切りだす者、運ぶ者、積み重ねる者など、みんなが役割分担をして、フィッシュポンドの石垣を築いていきます。
一方、家の中でじっと様子をうかがっていたチーフは、外の様子が気になって仕方がありません。
そしてとうとう我慢できずに、そっと外を覗き見してしまったのです!
すると気配を察したメネフネたちは、すぐに働く手を止めて、山へ帰っていってしまいました・・・・。
翌朝、チーフがフィッシュポンドを調べてみると、あともう少しというところで、未完成のまま放置されていました。

実際にカウアイ島東部には、メネフネ・フィッシュポンドがあります。
調査したところ、3mほど、全く石垣の築き方が異なっていることが分かっています。
つまり、メネフネが途中まで作って、残りは人間が作ったという神話を裏付ける根拠になりますね。

*写真はカウアイ島東部にあるメネフネ・フィッシュポンドです。

『ハワイの神話 モオレロ・カヒコ』2

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