【ハワイ神話】怒らせたら怖い?!火山の女神ペレ

アロハ!ハワイ神話・聖地・歴史に関する著作家の新井朋子です。

ハワイが大好きなみなさんに、もっともっとハワイを好きになっていただけるように、ハワイの神話・聖地・歴史についてお話していこうと思います。

この記事では、ハワイの神話でも有名な『火山の女神ペレ』のお話にしましょう・・・。

ハワイの人たちにとって特別な存在、マダム・ペレ

ご存知のとおり、ハワイは火山によってできた島。現在もハワイ島キラウエアでは火山活動が活発で、常に溶岩を噴出させ、日々島を大きく成長させています。

そのキラウエアのハレマウマウ火口に住んでいると言われているのが、火山の女神ペレです。

ペレは豊かな黒髪をした絶世の美女。ときに老女となって現れると言われています。性格はまさに火のごとく、怒らせたら誰にも止められない怖い存在。ハワイの人たちは、畏怖の念と同時に親しみを込めて、マダム・ペレと呼びます。

そんなマダム・ペレにまつわる神話を、ひとつご紹介しましょう。

神話『ペレと二人の少女』

ある時、二人の少女がウル(パンの木の実)を焼いていました。そこへひとりの老女が通りがかり、自分にも分けて欲しいと言いました。

一人の少女はそっけなく断りましたが、もう一人の少女は気前よく老女にウルを差し出しました。

老女は、ウルをくれた少女に、「山で何かが起きるから、家にタパ(ハワイの布)の目印をつけておくように」と耳打ちして去っていきました。

少女は家に帰って、そのことを両親に話しました。両親は「その老女はペレだよ。お前は良いことをしたね」と、少女を褒めました。

数日後、近くの火山が噴火して、火口から大量の溶岩が流れ出しました。溶岩流は、老女にウルをあげなかった少女の家を飲み込んでいきましたが、タパの目印をつけた少女の家は、避けるようにして流れていったということです。

このようなペレを怒らせると罰があたるというような神話は、たくさん伝えらえています。

ハワイの島々は、火山が噴火して流れ出した溶岩によってできています。

ということは、わたしたちがハワイで楽しく過ごしているのも、いわばペレの掌の上で遊ばせてもらっているということなんですよね。

ペレは大自然そのもの。大地の母として生命を育む創造的な面もあれば、荒々しく破壊的な面も持ち合わせているのです。

溶岩を持ち帰ると不幸になる? 自然に敬意を!

ハワイ島のキラウエアを訪れたことがありますか?

一面の黒い溶岩大地。それはそれはみごとです。太陽の光を受けて、七色にキラキラと輝く溶岩はとても美しく、見る者を魅了します。

けれども、どんなに美しくても溶岩を持ち帰ってはいけませんよ! 

溶岩は、いわばペレのご神体。持ち帰った人は不幸になると言われているのです・・・・?!

真偽のほどは定かではありませんが、実際に、溶岩を持ち帰って大変なことが起きたといって、世界中からハワイ国立公園宛てに溶岩が送り返されてくるそうです。

そもそも、自然のものを持ち帰るというのが問題ですよね。

大好きなハワイだからこそ、ハワイに敬意を払い、心地よく過ごさせてもらっていることに感謝したいですね!

*写真は、女神ペレが住むといわれるキラウエアのハレマウマウ火口と、ペレに捧げられている赤いレフアの花。

新井朋子 著作の関連図書

『ハワイの女神~ ペレとヒイアカの旅』

『ハワイの神話 モオレロ・カヒコ』2

『ペレ ハワイの火山の女神』