小さな島々を飲み込んだ歴史の荒波
ハワイにポリネシアの人々が移住してきたのは紀元500 年頃。1100 年頃にはタヒチから大量の移民が移住し、ハワイの文化の基礎を築いていった。彼らは優れた航海技術を持ち、4000㎞もの距離を小さなアウトリガー・カヌーに乗ってやってきたという。森羅万象すべてに神々が宿ると信じていた彼らは、ハワイにおいても“自然の恵みを自然に帰す”という完全な循環型社会を実践し、自給自足の生活を営んだ。 しかし1778 年、ジェームス・クックのハワイ上陸をきっかけに西洋文化が流入すると、キリスト教の伝導もはじまり、1810 年にはカメハメハ1 世が鉄砲などの近代兵器を用いてハワイ諸島全土を統一、ついにハワイ王朝が誕生した。その9 年後、カメハメハ2 世の即位に伴い、ハワイの伝統文化を規制する法律が公布されるとハワイの文化は急速に廃れていった。 アメリカの支配力が強まったのは19 世紀後半のこと。1893 年、ハワイ在住のアメリカ人武装組織がホノルルを制圧すると、リリウオカラニ女王は退位を表明。約80 年続いたハワイ王朝は終焉を迎えた。その後アメリカの海外統治領を経て1959 年にはアメリカ合
ハワイの文化を楽しみながら学ぶなら
ビショップミュージアムへ
ハワイを中心にしたポリネシア圏の歴史や文化のほか、
アジア移民がもたらした200 万点を超える貴重な資料を
所蔵・展示。1889 年にチャールズ・ビショップがハワイ王
朝の末裔だった愛妻を偲んで建てた博物館で、自然科学
の研究機関としては太平洋随一を誇る。
ビショップ・ミュージアム
Bishop Museum
住所:1525 Bernice St.
電話番号:808-847-8291(日本語)
開館時間:9:00 ~ 17:00
休み:無休
URL:www.bishopmuseum.jp