ワイキキ近郊のローカルタウン、カイムキ（Kaimuki）に、アトリエ兼リテールスペースを構えるファッションデザイナー、ルミ・ムラカミ（Rumi Murakami）さん。
メイドインハワイにこだわりながら、高品質な生地と流行にとらわれないスタイルが、コアなファンを夢中にさせているブランドだ。
ゆるいジャージー素材にハワイを連想させるプリントが散りばめられたハワイのアパレルブランドではなく、布帛をメインにミニマルながらもモダンなデザインがキラリと光る。
ロングパンツもあれば、ジャケットやブラウスもある。
ルミさんは日系アメリカ人で、カリフォルニア州出身。
カリフォルニアの中でもサンフランシスコを代表とするベイエリアなので、冬もある。
ルミ・ムラカミの素材やシルエットはいわゆるハワイのアパレルブランドとは一線を画する理由はそこにある。
　フィットを重要視するルミさんは、もともとパターンメイキングのアシスタントとして、アパレル業界に従事。
そして10年前に自身のブランド、ルミ・ムラカミをスタートした。
デザインされるルミさんの服はユニセックスとして使えるものもあり、男女問わずファンがいるのが特徴。
生地は日本やヨーロッパから良いものを厳選して選んでいる。
デザイン方法は、コンピュータープログラムは使わず、手でパターンを引くか、マネキンを使ってドレーピングでデザインを起こすというオールドスクールだ。
昔ながらの方法で時間をかけてじっくりとフィット感やディティールを吟味して作り上げられるスタイルは、大量生産のファストファッションとは対極に位置するものだ。
　「私はハワイのローカルデザイナー達とは違うルーツを持っています。
冬もわりと寒くなるベイエリアから一年中暖かいハワイに移住した当時は、どのような着こなしをして良いか分からず、デザイナーとしてチャレンジでしたね。
」とルミさん。
「Tシャツにショーツといったカジュアルな着こなしは自分のスタイルではない」と模索する中で、ルミさんが徐々に見いだしていったのが、「モダンソフトテーラー」というカテゴリー。
フィットやディティールを重要視しながらもリラックス感があり、でもきちんと見える服。
そんなニッチなマーケットを見つけたルミさんは、徐々にファンを獲得していった。
　最近では、ハワイの有名なファブリックブランド、ツツビ（TUTUVI）のオーナー、コリーン・キムラ（Coll…