カメハメハ4世とクイーン・エマゆかりのスポット

カメハメハ4世とクイーン・エマゆかりのスポット

ハワイ王国4代目の王アレクサンダー・リホリホ(カメハメハ4世)とその后エマ・ルーク。その実績とは対照的に、ハワイ王国の歴史の中では目立たない存在だ。今回は、カメハメハ4世とその后クイーン・エマにゆかりのあるスポットを紹介しよう

カワイアハオ教会/Kawaiahao Church

「カワイアハオ教会」はカメハメハ4世とエマ王妃の結婚式が挙げられた、ダウンタウンにあるオアフ島で最も古い教会だ。ハワイ王朝と関わりの深いことから「ハワイのウエストミンスター寺院」の異名を持っているが、最初は「石の教会」と呼ばれていた。「カワイアハオ」とはハワイ語で「ハオ王女の聖なる泉」という意味で、教会を建てる前のこの場所には王族の娘ハオ王女お気に入りの泉があり、彼女が毎日のようにこの泉を訪れていたことから名付けられたといわれている。今でも教会の中には場所を移動して復元された泉がみられる。
最初はカメハメハ1世の王妃で2世の摂政であるクイーンカアフマヌが、ボストンから初めてハワイを訪れたキリスト教の宣教師のために土地を払い下げ、簡素な藁葺きの小屋が建てられた。現在の建物は、4度火事や災害などで破壊された教会を二度と壊れないような建物にしようと、時の君主カメハメハ3世の命によって建設されたもので、当時最も頑強な建材であった珊瑚のブロックを使った教会は1842年に完成した。当時すでに多くの王族がキリスト教に改宗していたため、教会の礼拝堂にはロイヤルボックスが設置されており、2階にはカメハメハ1世からハワイ王国最後の女王リリウオカラニまで王族の肖像画が飾られている。

カワイアハオ教会/Kawaiahao Church アクセス+店舗情報

カワイアハオ教会/Kawaiahao Church

住所:
957 Punchbowl St, Honolulu
電話番号:
808-469-3000
営業時間:
9:00~16:00
定休日:
無休
URL:
https://www.kawaiahao.org

インターナショナル・マーケットプレイス/International Market Place

ワイキキ中心にある商業施設「インターナショナル・マーケットプレイス」。昔はレトロな雰囲気を持つショッピングスポットだったが、2016年に拡張工事を行いリニューアルオープンした。この商業施設はクイーン・エマが所有していた土地に建てられたものだが、現在は非営利団体のクイーン・エマ・ランドが所有している。

施設内の1階中央には「クイーンズ・コート」と名づけられた広場があり、地元の彫刻家ヴィルアーミ・タルタウ(Viliami Toluta’u)氏によって作られたカメハメハ4世と王子アルバート、クイーン・エマの銅像が建てられている。また毎日、日が暮れるとラマク・トーチ・タワーの点灯セレモニーを合図に、クイーンズ・コートで約30分の無料フラショーが開催される。ショーの終盤にはクイーン・エマに扮した女性が出演するなど、この施設は商業施設としてだけでなく、クイーン・エマの功績を垣間見ることのできる施設となっているのだ。

インターナショナル・マーケットプレイス/International Market Place アクセス+店舗情報

インターナショナル・マーケットプレイス/International Market Place

住所:
2330 Kalakaua Ave, Honolulu
電話番号:
808-921-0536、808-921-0537
営業時間:
10:00~22:00 (フラショーの時間は季節による)
定休日:
無休
URL:
https://www.shopinternationalmarketplace.com/

クイーン・エマ・サマーパレス/Queen Emma Summer Palace

ヌウアヌの谷にある「クイーン・エマ・サマーパレス」は、ハワイ島の先祖代々の郷里にちなんでハワイ語で月の養子=南十字星の意味を持つ「ハーナイ・アカマラマ」と呼ばれている。もともとはこの土地をハワイ政府から購入したハワイ系の白人ジョン・ルイスによって建てられた、ヴィクトリア様式とハワイ様式が融合しているユニークで魅力的な建築物で、1850年にエマ王妃の叔父ジョン・ヤング2世に売却された。子どもがいなかったヤング2世の遺言によってエマ王妃の手に渡り、エマ王女は暑さと厳格なイオラニ宮殿での生活から逃れるためにここを訪れていた。

国家歴史登録財として認定された建物内には玄関の間、正面寝室、客間、マントの間、裏寝室、中央広間、エジンバラの間の7つの部屋があり、全部で24枚といわれるキルトコレクションや、エマ王妃がヨーロッパ旅行の際に購入したピアノ、エマ王妃が使っていたベッドとともにアルバート王子が使っていたベビーベッドや洋服など、ゆかりの品々が展示されている。
敷地内にはデンマーク人の造園家オーガスタス・ホルステインによって設計された宮廷敷地内庭園がある。庭園はシダ科の植物ラウエアでおおわれ、かつては睡蓮が咲き乱れる池や、魚がいた池もあつたという。現在ハワイにはダウンタウンのイオラニ・バレスをはじめ、ハワイ島のカイルアコナにあるフリヘエパレスとこのクイーン・エマ・サマーパレスの3つがアメリカ合衆国にある宮殿といわれている。このクイーン・エマ・サマーパレスは一人息子で王家の跡継ぎだったアルバート王子を4歳で亡くし、その一年後に最愛の夫カメハメハ4世までも失ったクイーン・エマの、家族で幸せに過ごした記憶が残っている宮殿である。看板が小さく入口がわかりにくいので、車で訪れる場合にはカーナビゲーションの利用をお勧めしたい。

クイーン・エマ・サマーパレス/Queen Emma Summer Palace アクセス+店舗情報

クイーン・エマ・サマーパレス/Queen Emma Summer Palace

住所:
2913 Pali Hwy, Honolulu
電話番号:
808-595-3167
営業時間:
9:00~16:00 、日曜 10:00~15:00
定休日:
無休(祝日は休みの場合あり)
URL:
http://daughtersofhawaii.org/2017/05/01/queen-emma-summer-palace/

セントアンドリュース教会/ST.Andrew’s Cathedral

ダウンタウンのハワイ州都歴史地区にあり、州政府ビルの斜め向かいにある教会が「セントアンドリュース教会」だ。クイーン・エマは英国出身の母方の叔母の養子として英国の影響を受けて育ち、カメハメハ4世は10代で英国を訪れており、二人とも英国に親しみを感じていた。このことから王位を継承した後もイギリスとイギリス国教会に関心を寄せ、司教派遣を要請。エマ女王広場と呼ばれていた土地の一区画を、イギリス国教会を建設する土地として寄付した。この場所に建設されたのがセントアンドリュース教会であるが、教会の完成を見ることなくクイーン・エマは1885年に死去してしまった。大聖堂は1867年に建設が始まり、建材のほとんどを英国から運んでいたために長い建築期間を要した。

1958年2つの張り出し窓や聖堂の玄関ホール、さらにジョンウォーリンズがデザインしたハワイで最も大きな玄関側のステンドグラスが設置された。このステンドグラスにはカメハメハ4世とクイーン・エマ王妃の姿も描かれている。実に91年もの歳月を要して聖アンドリュー大聖堂は完成した。すべて石で作られた教会の内部には約45メートルのバージンロードがあり、これはハワイの教会のなかでは最も長く、リゾートウエディングを行うカップルにも人気の教会である。

セントアンドリュース教会/ST.Andrew's Cathedral アクセス+店舗情報

セントアンドリュース教会/ST.Andrew’s Cathedral

住所:
229 Queen Emma Square
電話番号:
808-524-2822
営業時間:
挙式、行事の時間以外は見学可能。日曜午前にミサを開催
定休日:
日曜午前にミサを開催
URL:
https://www.thecathedralofstandrew.org/

カメハメハ4世とクイーン・エマの功績は、あまり派手ではないが、ハワイの人々の生活に密着したものが多い。今回紹介したスポットなら観光客にも行きやすいので、訪れてみればどれだけ偉大な王と王妃だったのかを知ることが出来るだろう。

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