ハワイ王国の栄華をしのぶ歴史的建造物を見てみよう

ハワイ王国の栄華をしのぶ歴史的建造物を見てみよう

19世紀末、アメリカ合衆国に併合されるまで、独立王国だったハワイ。1778年に英国人ジェームズ・クックによって発見されて以来、欧米人が渡来し徐々に西洋色が広まっていったが、ハワイ王国の繁栄が垣間見える建物や名所がたくさんある。そのなかから、足を運んでほしい6スポットを紹介。ハワイ王国の成り立ちから最盛期を経て、合併までのハワイの歴史を学んでみよう。

Ahuena Heiau/アフエナ・ヘイアウ

Ahuena Heiau/アフエナ・ヘイアウ

ハワイ島は初代ハワイ国王カメハメハ1世の生誕地とされており(所説あり)、ハワイ王族にゆかりのある島。島西部の観光の中心地であるカイルア・コナは、19世紀にハワイ王族の静養地として発展した町で、カメハメハ1世が余生を過ごした場所としても知られる。現在のキング・カメハメハ・コナ・ビーチ・ホテルの海側にある「アフエナ・ヘイアウ」は、カメハメハ1世ゆかりのヘイアウとして知られている。ヘイアウとは、ハワイ古来の宗教の神殿を指し、カメハメハ2世によってさまざまなタブーが禁止されるまでは、ハワイの神々が祀られていた神聖な場所。

Ahuena Heiau/アフエナ・ヘイアウ

アフナエ・ヘイアウは1812年にカメハメハ1世のハワイ島帰還に際して建てられ、ハワイの農耕神「ロノ」が祀られている。建物の周りを木の塀で囲み、石で組まれた土台に茅葺屋根の神殿が、入り口には神々を彫刻したキイ・アクアが建てられている。1970年代半ばまで、この地で150年以上神聖な儀式は執り行われてこなかったが、1993年にハワイの歴史的建造物として指定されて以来、この国宝の復元プロジェクトなどがすすめられている。ここ以外にも、ハワイ島にたくさんのヘイアウが遺跡として残されているので、パワースポットとして足を延ばしてみてはいかがだろう?

Ahuena Heiau/アフエナ・ヘイアウ アクセス+店舗情報

Ahuena Heiau/アフエナ・ヘイアウ

住所:
Kaahumanu Pl, Kailua Kona, HI 96740
開館時間:
見学自由(外観のみ)
URL:
http://ahuenaheiau.org/


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Ahuena Heiau/アフエナ・ヘイアウ

Kawaiahao Church/カワイアハオ教会

オアフ島で最も歴史の古い教会で、アメリカ合衆国の重要文化財にも指定されている。カメハメハ3世の命で建てられ、1842年に完成した。建物の材料には、台風や火災などの災害に耐えられるよう、当時一番頑丈であったサンゴ材を14000個使用。その立派な外観と規模から「太平洋のウェストミンスター寺院」ともいわれる。初の礼拝にはカメハメハ3世をはじめ、5000人のハワイアンが出席、現在は英語とハワイ語で礼拝が行われている。

Kawaiahao Church/カワイアハオ教会

ハワイ王家の礼拝堂として、カメハメハ4世とエマ女王の結婚式のほか、王族の結婚式や戴冠式、葬儀なども執り行われた。建設当時、すでに王族の多くがクリスチャンに改宗していたため、礼拝堂の後列にはロイヤツボックスが設置された。また、2階席の壁には、初代カメハメハ1世からリリウオカラニ女王までの王族21名の肖像画が掲げられており、この教会がいかに王室と深い関係を保ってきたかが垣間見える。そのほか、この教会の設立に貢献したカメハメハ3世の思い出の品である「カウイケアオウリ・クロック」や、荘厳な音色を響かせるパイプオルガン、6代目王のルナリロ王とその母の霊廟、庭園にある王族女性の泉を再現した噴水など、建物以外の見どころが多い。

Kawaiahao Church/カワイアハオ教会 アクセス+店舗情報

Kawaiahao Church/カワイアハオ教会

住所:
957 Punchbowl St
開館時間:
挙式・ミサ以外の時間は見学自由
URL:
https://www.kawaiahao.org//

Aliiolani Hale/アリイオラニ・ハレ

ハワイ王朝の繁栄の象徴として、カメハメハ5世の命で1874年に建てられた宮殿。ルネサンス調の荘厳な建物で、その豪華さは目を見張るものがあるが、完成を前にカメハメハ5世が死去し、のちにイオラニ宮殿が完成したため、王国の政治をつかさどる宮殿としては使用されなかった。そのため、官庁舎として使われていたが、イオラニ宮殿完成後は裁判所として利用され、現在も2階部分がハワイ州最高裁判所として機能している。一方で、サトウキビ農園で財を成した白人勢力がハワイの共和国化を求めるクーデターを起こした際に、ここに臨時政府が置かれたこともあるなど、ハワイの建物の中でも歴史的に重要な意味を持つ建物として、国と州の歴史的建造物として登録されている。

Aliiolani Hale/アリイオラニ・ハレ

1階部分は司法歴史センターとして無料で開放されており、ハワイの裁判の歴史や実際に使われていた法廷などを展示。敷地の入り口に立つカメハメハ大王像はハワイにある4体の大王像のひとつで、撮影スポットとしても人気。海外ドラマ「Hawaii Five-0」では、ファイブ・オー(ハワイ州知事直轄特別捜査班)本部が置かれている場所になっていて、ドラマのロケ地巡りで訪れる人も多い。

Aliiolani Hale/アリイオラニ・ハレ アクセス+店舗情報

Aliiolani Hale/アリイオラニ・ハレ

住所:
417 South King St
電話番号:
808-539-4999
開館時間:
08:00~16:00
休館日:
土・日曜
URL:
http://www.jhchawaii.net/aliiolani-hale/

Iolani Palace/イオラニ宮殿

Iolani Palace/イオラニ宮殿

「イオラニ宮殿」はハワイ王国7代目カラカウア王によって建てられた、アメリカ合衆国唯一の宮殿。1882年に建築され、ハワイ最後の女王であるリリウオカラニが1893年に退位するまで暮らしていた。

中に一歩入ると豪華絢爛な部屋が並ぶ。メインの「玉座の間」は、ワインレッドの絨毯やカーテン、金の調度品で飾られ、王との謁見や舞踏会などが行われていた場所。来賓をもてなした「正餐室」や音楽会などを行った「青の間」など、王室の華やかな暮らしを垣間見られる。各部屋には豪華なシャンデリアが付けられており、電気が発明された当時の最先端の設備が導入されていたことが分かる。2階は王室のプライベート空間で、リリウオカラニ女王が幽閉された寝室も2階にある。宮殿内部を見学するには、ガイドと回るグランドツアー、もしくは1人で回るオーディオツアーの見学ツアー参加のみ。日本語のグランドツアーは月曜と金曜の11:30からの各1回、定員20名の限定だ。

Iolani Palace/イオラニ宮殿

一般の見学者でもOKの地下ギャラリーには、王冠や宝飾品、数々の調度品を展示。敷地内にはカラカウア王の戴冠式が行われたスタンドや王室の霊廟、近衛兵の兵舎なども残っており、ハワイ王国の栄華から衰退までを感じることができる。

Iolani Palace/イオラニ宮殿 アクセス+店舗情報

Iolani Palace/イオラニ宮殿

住所:
364 S.King St.,Honolulu
電話番号:
808-522-0822
開館時間:
09:00~16:00 (最終入館15:45)
休館日:
日曜
URL:
http://www.iolanipalace.org/

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Iolani Palace/イオラニ宮殿

Liliuokalani Protestant Church/リリウオカラニ・プロテスタント教会

ノース・ショアのハレイワタウンにある小ぢんまりとした教会が「リリウオカラニ教会」。リリウオカラニ女王がハレイワの夏の別荘に訪れている際によく礼拝に訪れていた教会で、以前は「ワイアルア教会」と呼ばれていたところを、1975年に現在の名称に変更された。

Liliuokalani Protestant Church/リリウオカラニ・プロテスタント教会

小さな教会だが、内部には女王から贈られたシャンデリアや讃美歌の本などが残されている。なかでも有名なのは、1892年に女王が贈った時計。もとはイギリスのビクトリア女王がリリウオカラニ女王に贈ったという貴重なもので、文字盤には数字の代わりに女王の名前のアルファベット「LILIUOKALANI」が書かれていることで知られている。今でも教会の壁に飾られて、礼拝にくる人たちを見守っている。教会の入り口にある岩づくりのアーチの上部分には月下美人が植えられており、大輪の花を一気に咲かせるととても美しい。

教会の前には、ハレイワの有名店「マツモト・シェイブ・アイス」がある。店に訪れたらぜひ教会にも立ち寄ってほしい。

Liliuokalani Protestant Church/リリウオカラニ・プロテスタント教会 アクセス+店舗情報

Liliuokalani Protestant Church/リリウオカラニ・プロテスタント教会

住所:
66-90 Kamehameha Highway, North Shore, Haleiwa, Honolulu
電話番号:
808-637-9364
開館時間:
10:00~14:00(要申し込み)
休館日:
土・日曜
URL:
https://www.liliuokalanichurch.org/

Bishop Museum/ビショップ・ミュージアム

Bishop Museum/ビショップ・ミュージアム

カメハメハ王家と強いつながりを持つハワイ州最大の博物館。1899年に王家最後の直系子孫であるバニース・パウアヒ王女が亡くなった後、夫のチャールズ・リード・ビショップ氏が彼女の追悼のために設立した。ハワイ、ポリネシアを中心とした太平洋地域の自然・文化などに関するコレクションを200万点以上所有。文献、写真などを含むと2500万点を超えるといわれている。火山によって形成されたハワイ諸島にポリネシア人が移住してきた3000年前の貴重な品から、19世紀のハワイ王朝にかけての品々が中心だ。

Bishop Museum/ビショップ・ミュージアム

館内には王家伝来の美術品や美術工芸品などが展示されており、世界的にも価値の高いものが収められている。もともとは、ハワイの子どもたちの教育を目的としてつくられた。その意思を今でも受け継ぎ、太平洋地域の自然史、文化史の主要研究機関でもあるほか、古代ハワイのカヌー乗組員たちが大海原を渡った航海術やウクレレ、フラなどのハワイアン・カルチャーを伝える教育の場としても機能している。ハワイアン・カルチャーの体験は旅行者でも申し込みが可能(要予約、別途料金)だ。

Bishop Museum/ビショップ・ミュージアム アクセス+店舗情報

Bishop Museum/ビショップ・ミュージアム

住所:
1525 Bernice St
電話番号:
808-847-8291
営業時間:
09:00~17:00 (最終入場16:30)
休館日:
感謝祭 12/25
URL:
https://www.bishopmuseum.org/

ハワイ王国時代は、太古から脈々と受け継がれたハワイの伝統が集約された時代といっても過言ではない。カメハメハ王朝の諸島統一からアメリカ合衆国への合併まで、ハワイのさまざまな歴史が垣間見られる史跡・歴史的建造物は上記以外にもたくさんあるので、興味のある人は、ネイバーアイランドまで足を延ばしてみよう。昔のハワイを知ることで、また新しいハワイが発見できるかも!

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