【ハワイの伝説】半円形の花に隠されたナウパカの悲恋
ハワイに咲くお花の中でも特徴的な形を持つ「ナウパカ」。
まるで、ひとつのお花が半分に引き裂かれたような姿をしています。
海岸近くに咲くナウパカ・カハカイ(ビーチ・ナウパカ)と、山間部に咲くナウパカ・クアヒヴィ(マウンテン・ナウパカ)あり、悲恋の象徴として語り継がれています。
その伝説をいくつかご紹介しましょう。
ペレが引き裂いた「モミ」と「イカイカ」の物語
モミとイカイカは、とても仲の良い恋人同士でした。
少しでも離れるとお互いが完全でないような気がするほど、いつも一緒に居ました。
そんな二人の仲の良い様子に女神ペレが嫉妬して、二人を引き裂いてしまいます。
モミを海側から離れられないようにし、イカイカを山側へと追いやってしまい、その後二人は二度と会えなくなってしまいました。
引き裂かれた二人は、半分に裂かれたようなお花になったそうです。
ナウパカ姫と青年カウイの物語
昔、ナウパカという名前の美しいお姫様がいました。
ある時、平民の青年カウイと恋に落ちます。
しかし、当時のハワイでは身分違いの結婚は許されていなかったため、二人は引き離されてしまいます。
諦めきれない2人はカフナ(神官)のところへ行き、祈りました。
その時、激しい雷雨が降り風が起こり、二人はこの恋が叶わないことを悟ります。
ナウパカは自分の髪に付けていた花を二つにちぎり、片方をカウイに渡しました。
カウイは海側へ、ナウパカは山側へ分かれて行きました。
その後、二人はそれぞれの土地に咲く花になったそうです。
ナナウとカパカの物語「伝説のルマハイ・ビーチ」
カウアイ島の同じハーラウ(フラの学校)で学んでいた、男性のナナウと女性のカパカは恋人同士でした。
二人は、ハーラウのカプ(掟)を破ってしまったために、クム(先生)の怒りを買い、カウアイ島北部のルマハイ・ビーチまで逃げてきました。
追いつかれそうになった二人はここで二手に分かれ、ナナウは山側へ、カパカは海側へと逃げましたが、掟に従わなかった罪で結局二人とも殺されてしまいました。
二人が殺された場所から、よく似た半円形のお花をつけた植物が生えてきたそうです。
この伝説に出てくるルマハイ・ビーチは、映画「南太平洋」や「ブルー・ハワイ」の舞台にもなったところです。
ナウパカのお花は、山側と海側のお花を併せてひとつにすると、雨が降ると言われています。
離ればなれになった恋人同士のうれし涙なんだとか。
また、恋愛成就のおまじないにも使われているそうですよ。
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