ハワイで出会える可愛い鳥たち

ハワイで出会える可愛い鳥たち

一年を通して温暖なハワイでは、ハワイでしか見ることができない固有種や、州外から持ち込まれた外来種など、色々な鳥たちに出会えます。
可愛らしい姿に「何ていう鳥?」と思うことはありませんか?
今回は比較的ハワイで出会うことの多い鳥たちをご紹介します。

アパパネ/ʻApapane

ハワイ諸島でしか見ることのできない「固有種」スズメ目アトリ科のハワイミツスイ。
ハワイミツスイ属には20数種類の鳥たちが属していますが、その中で最も頻繁に見ることができ、ハワイ固有種の鳥類のなかでも最も数が多いのが「アパパネ」です。

「アパパネ」は「アカハワイミツスイ」のハワイ語の呼び方で、その名の通り体の上面と胸部は深紅色をしており、頭部は少し明るい色をしています。

ハワイには「アパパネ」と同じハワイミツスイに属し、体が赤い「イイヴィ」という鳥がいますが、「アパパネ」はくちばしが黒く、腹部が白色をしているのが見分けるポイントです。

大きさは10~20センチぐらいで雌のほうが雄よりやや小さな体をしています。
多彩な泣き声を持つことで知られる鳥で、さえずりだけでも10種類が確認されています。

また、飛ぶ時には「フルフルフル」という羽ばたき音がかなり遠くからでも聞こえます。
山間の在来植物の森に住む鳥で、ハワイ主要6島すべてに生息しているようですが、ラナイ島にはあまり生息しておらず、オアフ島でもその数が少なくなっています。

ハワイ島、ハワイ火山国立公園などに自生するオヒアレフアの花にその姿が見られることが多く、赤い体の色もオヒアレフアの花の色との保護色になっているようです。

カーディナル/Red-crested Cardinal

鮮やかな赤い頭に鶏冠のような冠毛が一度見たら忘れられない印象的な鳥で、住宅地をはじめ、ワイキキやアラモアナなどの観光地にもたくさんいる鳥が「カーディナル」です。

体の大きさは20センチほどで、雄も雌もおなかは真っ白で、頭から胸にかけては鮮やかな赤色をしており、くちばしは太くて灰色、足は黒です。

ローカルのみならず観光客たちからも「頭が赤い鳥」として親しまれ、ハワイを代表する鳥としても知られている「カーディナル」。
日本では「紅冠鳥」、英語では「ブラジリアン・カーディナル」と呼ばれ、元は南アメリカ大陸原産の外来種です。

同じ南米原産で体の色がよく似た「キバシコウカンチョウ」という小鳥もハワイにいますが、こちらは冠毛が無く、くちばしと足が黄色をしています。

カーディナルはウィリアム・マクナーニ(William Mclnerny)という人物によってオアフ島に持ち込まれたのが最初で、その後も数多くが放されハワイで増えていきました。
オアフ島の広い範囲のほか、カウアイ島やモロカイ島、ラナイ島にも生息しています。

マウイ島ラハイナなどでも見かけられるようになりましたが、ハワイ島ではほとんど見かけることがありません。

街中にいるものはとても人になれていて、オープンエアーのレストランで食事をしているとやってきて、大好きなパンくずをあさって逃げてゆく可愛らしい鳥です。

チョウショウバト/Zebra Dove

ハワイのさまざまな場所で見かける小型のハトが「チョウショウバト」です。
ボルネオ島やマレー半島、オーストラリアなどに生息している鳥で、ハワイには1922年に持ち込まれた外来種です。

全長20cmほどとハトの中では小さく、体の色は灰色や茶色など個体によって違いますが、雄と雌は同じような色をしています。
また首から胸にかけて白黒の縞模様があることから、英語ではゼブラ・ダブ、シマウマハトと呼ばれています。

胸は赤みを帯び、目とくちばしの周りが青くなっています。
普段は主に草の種子を食べていますが雑食性です。
人になれているものも多く、オープンエアーのレストランで、食べ物目当てにテーブルにやってくる姿を頻繁に見かけます。

ちなみにマレーシアでは幸福を象徴する鳥として鳥かごで飼われることが多いようですが、ハワイでは飼われることはないようです。

名前のチョウショウ(長嘯)とは声を長くひいて詩や歌などを吟じることをいいますが、このハトの鳴き方から名付けられたものといわれています。

朝になると聞こえる特徴的な「トゥー、トゥ、トゥ、トゥ」という鳴き声は、ハワイの朝を象徴する音のひとつとなっています。

ネネ/Nēnē

ハワイの「州の鳥」に指定されている「ネネ」。
ハワイガンとも呼ばれるこの鳥のルーツは、人がハワイにやってくるよりずっと前にたどり着いたカナダガンで、ハワイで独自の進化を遂げた固有種です。

見た目はカナダガンに似て頭や首の背中側、くちばし、足は黒色で、胸部は淡い茶色、翼と背中の羽は縞が入った灰色をしています。

頬だけが白いカナダガンと異なり、ネネは頬から首にかけてクリーム色で黒い縞模様が入り、首の付け根にはまるでネックレスのような黒い線が入っています。
カナダガンよりも足が長く、堅くて長い爪を持っていますが、水かきは退化しています。

ジェームズ・クック船長がハワイを訪れたころには25,000羽ほどいたと考えられている「ネネ」。 ところが畑を荒らすネズミを駆除するためにマングースを導入したところ、昼行性のマングースは夜行性のネズミを捕まえず、被害にあったのは洞窟などに産卵されたネネの卵でした。

そのせいで野生のネネは1951年に絶滅しましたが、個人が飼育していた30羽が生き残っていたため、これを繁殖。
長年の努力により個体数は3,000羽ほどに増加し、2019年、ネネは絶滅危惧種IB類から除外され、「準絶滅危惧種」になりました。

ハワイ州の鳥ネネにはホノルル動物園で会うことができますよ。

ハワイ旅行で早起きして散歩をしたりすると、ワイキキなどの街の中でも、鳥たちの鳴き声が良く聞こえてきます。
日本では出会えない鳥も多いので、次回のハワイ旅行では鳥たちにも注目してみると面白いかもしれませんよ。

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