カメハメハ一族にゆかりのある観光スポット

カメハメハ一族にゆかりのある観光スポット

ハワイを統一してハワイ王国を築き、カメハメハ5世が崩御するまで続いたカメハメハ一族。現在のハワイの基礎を築いたカメハメハ一族にゆかりのある場所のなかから、ワイキキ周辺にあるスポットを紹介しよう。

イオラニ宮殿/Iolani Palace

今もダウンタウンに建ち、ハワイ語で「天国の鳥」の意味を持つイオラニ宮殿は、1882年にハワイ王国第7代国王カラカウアによって建てられたものだ。電気式の室内照明や水洗トイレなど当時最新の設備を持ちハワイ王国の政治の中枢として機能していた。しかしこれはイオラニ宮殿の歴史の一部分で、現存の宮殿が完成する前からこの敷地にはハワイ王国を築いてきた王族が居住しその歴史を紡いできた。

最初にこの地に宮殿を建てたのはオアフ島の大酋長マタイオ・ケクアナオアで1844年のことだった。カメハメハ1世がハワイを統一し、カメハメハ3世が王国の首都をマウイ島のラハイナからオアフ島のホノルルに移すと、3世は木造のこの屋敷をマタイオから購入し、屋敷はハレ・アリイ(王族の館)と呼ばれるようになった。カメハメハ3世に続き4世、5世と続いた王の宮殿として使われ、カメハメハ5世(ロット・カプイワ)の時代に、弟であり先に国王として即位し29歳という若さで亡くなっていた4世、アレキサンダー・リホリホ・イオラニの名前から「イオラニ・パレス」と名づけられた。カラカウアがハワイ王国第7代国王に即位した1874年頃にはこの木造のイオラニ・パレスも老朽化が酷く、その上シロアリの被害も酷かったため解体され、新たな宮殿が建てられたのだった。

イオラニ宮殿/Iolani Palace アクセス+店舗情報

イオラニ宮殿/Iolani Palace

住所:
364 S King St, Honolulu
電話番号:
808-522-0822
営業時間:
9:00~16:00
定休日:
日曜
URL:
http://www.iolanipalace.org

カワイアハオ・チャーチ/Kawaiahao Church

1820年に創立されたハワイ最古のキリスト教会「カワイアハオ・チャーチ」。カワイアハオとはハワイ語でハオの泉という意味で、教会建設の際に取り壊された王族の娘ハオが愛した泉がここにあったことから名付けられた。現在、泉は教会の敷地に再現されている。教会設立は初のキリスト教宣教師がボストンからハワイに上陸した時にさかのぼる。最初の教会はカメハメハ2世とその後見人で義母のカアフマヌ女王が、ホノルル・ダウンタウンの土地を宣教師一行に払い下げた、彼らが住居と礼拝の場として建てたごく簡素な藁葺きの小屋だった。

ところが火事や台風などで幾度となく破壊されたため、カメハメハ3世の命により当時最も頑強な建築素材だった珊瑚を使った礼拝堂の建設が進められ、1842年に1万4,000個もの珊瑚のブロックを使った教会が完成。この頃には多くの王族がクリスチャンに改宗していたことから教会内には立派なロイヤルボックスも設置された。歴代君主の戴冠式や結婚式、葬式などが行われ、カメハメハ4世とエマ女王の結婚式もここで盛大に行われた。このように王族と関わり深いこの教会は「アリイ(王族)の教会」、また、当時は最も規模が大きく立派だったため「ハワイのウエストミンスター寺院」とも呼ばれた。教会の2階にはカメハメハ1世からハワイ王国最後の女王リリウオカラニまで代々の王の肖像が飾られ、王家の繫がりの深さを感じることができる教会である。

カワイアハオ・チャーチ/Kawaiahao Church アクセス+店舗情報

カワイアハオ・チャーチ/Kawaiahao Church

住所:
957 Punchbowl St, Honolulu
電話番号:
808-469-3000
営業時間:
9:00~16:00
定休日:
無休
URL:
https://www.kawaiahao.org

モアナルアガーデン/Moanalua Gardens

「モアナルアガーデン」と聞いて最初に想像するのが、コマーシャルでおなじみの「日立の木」ではないだろうか。このモアナルアガーデンもハワイ王族ゆかりの地であり、深い歴史を持っている。カメハメハ大王はオアフ島を制圧すると、モアナルア渓谷を叔父で相談役だったカメエイアモクに譲与した。カメエイアモクが亡くなると、モアナルア渓谷は、カメエイアモクの息子でカメハメハ大王の親友だったホアピリが受け継いだ。このホアピリの養子がカメハメハ大王の孫ロット・リホリホ(カメハメハ5世)だったため、ロット・リホリホは国王に就任する前に、モアナルアガーデンを含むモアナルア渓谷全体を相続したのだ。

この地をこよなく愛していた彼はこの地に別荘(コテージ)を建て、友人達を招いてフラを楽しんだりしていたが、この中国様式とビクトリア様式を取り入れた別荘は今も公園の一角に保存されている。カメハメハ5世(ロット・リホリホ)が亡くなった後は幾人かの王族の手を経てカメハメハ王家の末裔バーニス・パウアヒ王女の所有となり、王女が亡くなると遺言により、夫チャールズ・リード・ビショップの盟友サミュエル・デイモンに託された。現在この公園はデイモン一族の個人所有地として管理されている。カメハメハ5世の別荘は安全上の理由から立ち入り禁止となっているが、まわりに広がるタロイモの水田や、鯉や鴨がいる池の後ろに今も間近に眺めることができる。

モアナルアガーデン/Moanalua Gardens アクセス+店舗情報

モアナルアガーデン/Moanalua Gardens

住所:
2850 Moanalua Rd., Honolulu
電話番号:
808—833-1944
営業時間:
7:30~日没30分前
定休日:
無休
URL:
http://www.moanaluagardens.com

ロイヤル・モザリアム/Royal Mausoleum State Monument

ヌウアヌの谷にあるハワイの人々にとって神聖な場所が「ロイヤル・モザリアム」だ。王族の亡骸は最初イオラニ宮殿内にある小さな墓所に安置されていたが、カメハメハ4世とエマ女王の子、アルバート王子が亡くなった際、墓所が一杯で王子を埋葬できなかった。そこで二人は王族のための新たな霊廟建設を計画したが、霊廟の完成を待たずカメハメハ4世は逝去し、新たな霊廟に最初に埋葬されたのは4世自身とアルバート王子となった。またイオラニ宮殿敷地内の旧霊廟に安置されていた王族の亡骸も、新霊廟が完成した年にすべて移された。

最初は中央にある礼拝堂が霊廟として使われていたが、そこが手狭になると敷地内にカメハメハ王朝のカメハメハ2世~5世、さらにカラカウア王朝のカラカウア王、リリウオカラニ女王、カイウラニ王女などに分けて墓所が作られた。また敷地にはパウアヒ王女と夫チャールズ・ビショップ、王族以外にも、カメハメハ一族の参謀だったジョン・ヤング、ロバート・ウィリーなどの墓所と墓碑がある。

ハワイがアメリカの準州になる際にはリリウオカラニ女王と王家の血筋を持つ連邦議員、ロバート・ウィルコックが本国と交渉し、未来永劫王家の霊廟とすることを保証させた。平日の日中は自由に見学できるが、礼拝堂は施錠されている。しかしカメハメハ王朝の末裔で霊廟の管理者ウィリアム・マイオホさんにお願いすれば内部の見学も可能である。

ロイヤル・モザリアム/Royal Mausoleum State Monument アクセス+店舗情報

ロイヤル・モザリアム/Royal Mausoleum State Monument

住所:
2261 Nuuanu Ave, Honolulu
電話番号:
808-587-2590
営業時間:
8:00~16:00
定休日:
土・日曜
URL:
http://dlnr.hawaii.gov/dsp/parks/oahu/royal-mausoleum-state-monument/

今回紹介したカメハメハ一族ゆかりのスポットは、ザ・バスやワイキキトロリーなどでも行くことのできる比較的アクセスのよいスポットだ。足を運んでみればリゾートではないもうひとつのハワイに出会えるだろう。

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