【徹底解説】ワイキキにあった1万本のヤシの木 ~「ヘルモア」と呼ばれた場所~
ワイキキが現在のようなリゾート地になるずっと前は、タロイモ畑が広がる湿地帯でした。
そしてホテルの立ち並ぶ海側には、王族たちの住むお屋敷や庭園がありました。
今回は、「ヘルモア」と呼ばれた場所にまつわるお話をご紹介します。
オアフ島はカクヒヘヴァ王の島
16世紀頃にオアフ島を統治していたと言われる酋長カクヒヘヴァ。
ノースショアのワヒアワ郊外にある聖地クーカニロコで生まれ、文武両道に育てられたオアフを代表する大酋長です。
かつてオアフ島は、「カクヒヘヴァ王のオアフ島」と呼ばれていたほどだそうです。
「ヘルモア」は、「鶏の引っかいた跡」
そんなカクヒヘヴァ王のところへ、ある日、パロロの谷から不思議な力を持つ鶏カアウヘレモアが降り立ちました。
その鶏は、王の目の前で地面を激しく引っかいて見せ、姿を消しました。
王は、その地に1万本のヤシの木を植え、「ヘルモア」と名付けました。
「ヘルモア」とは、ハワイ語で「鶏が引っかいた跡」という意味です。
「ヘルモア」は、現在のロイヤル・ハワイアン・センターやロイヤル・ハワイアン・ホテル、ハレクラニ・ホテルが立ち並ぶあたりにあったとされています。
ロイヤル・ハワイアン・ホテルにあるヤシの木
その時に植えたとされるヤシの木の子孫たちが、今でもロイヤル・ハワイアン・ホテルの周りや中庭で見られます。
さすがに16世紀に植えられたヤシの木は残っていないのですが、カクヒヘヴァ王から受け継がれている歴史を垣間見られますね。
10年ほど前にホテルが改装する時に、やむを得ず一部の木を切らなければならず、伐採したヤシの木に敬意を払い、太鼓を作って展示しています。