ホノルル ダウンタウンで訪れるべき5スポット

ホノルル ダウンタウンで訪れるべき5スポット

ワイキキから交通の便も良く、歴史的なスポットも多いホノルル、ダウンタウン。日本人観光客がそれほど多くないこの場所はハワイの歴史を知ることができる観光地でもある。そこで今回はダウンタウンで是非訪れてほしいスポットを5つ紹介しよう。

ワシントン・プレイス/Washington Place

ワシントン・プレイス/Washington Place

リリウオカラニ女王の夫でアメリカ人の貿易商、ジョン・ドミニスの実家だった「ワシントン・プレイス」。1847年に建てられたこの白亜の建物は、藁葺き屋根の家が当たり前の時代に非常に目立ったうえ、当時はダウンタウンから平原が広がっていたため、ワイキキから、この「ワシントン・プレイス」が見えたと伝えられている。

ドミニスが海難事故で死去し未亡人となったリリウオカラニは、その部屋をいくつか貸し出していた。1848年、住人の一人だったアメリカ合衆国総督が、故ジョージ・ワシントンの誕生日を祝ってこの建物に「ワシントン・プレイス」と名付けることを提案し、そう呼ばれるようになった。この建物はジョン・ドミニスと結婚してから、女王を退位し78歳で死去するまでの間リリウオカラニ女王が暮らし、ハワイ王国の滅亡後は1922年から2002年までハワイ州知事公邸として使われた。

現在は博物館として、豪華な中国の調度品が飾られたブルールームや、リリウオカラニ女王が数々の曲をつくりだしたグランドピアノと、彼女が作ったハワイアンキルトが飾られたベッドが置かれた部屋など、貴重な品が展示、公開されている。公開は木曜の10時からのみで、ガイドツアーも行われているが、こちらは2日前までの予約が必要だ。ツアーは無料だが、数ドル程度の寄付が必要となっている。

ワシントン・プレイス/Washington Place アクセス+店舗情報

ワシントン・プレイス/Washington Place

住所:
320 S Beretania St, Honolulu
電話番号:
808-536-8040
営業時間:
木曜10:00~、所要時間45分 (見学ツアー)
定休日:
土曜・日曜
URL:
http://www.washingtonplacefoundation.org

ハワイ州政府ビルとダミアン神父像/The State Capitol&Father Damian Statue

ハワイ州政府ビルとダミアン神父像/The State Capitol&Father Damian Statue

サウスベレタニア通りに建ちハワイ政治の中心となっている「ハワイ州政府ビル」。1969年に建設されると、それまでは州庁舎として使われていたイオラニ宮殿からその役を引き継いだ。屋根の中央から青空が見える吹き抜けの建物は火山を、それを支える40本の柱はヤシの木をイメージしている。山側の入口には「ウア・マウ・ケ・エア・オ・カ・アイナ・イ・カ・ポノ (UA MAU KE EA O KA AINA I KA PONO)」と書かれたハワイ州の紋章が掲げられているが、これはカメハメハ3世の言葉から引用されたもので「ハワイの地は正義とともに生き続ける」という意味である。

周囲には池があるが、これもまたハワイの海をモチーフとしている。建物には州議会が開かれる議場や知事室があり、観光客でも予約なしで見学ができるほか、知事が会見を行うプレスルームの演壇にも立てるので、記念写真を写してSNSなどに投稿すればたくさんの「いいね」がもらえるかも。

ハワイ州政府ビルとダミアン神父像/The State Capitol&Father Damian Statue

ハワイ州政府ビルとダミアン神父像/The State Capitol&Father Damian Statue

一方、この州政府ビルの前に立つずんぐりとした銅像が「ダミアン神父像」。ベルギー人の彼は1864年カトリックの神父として、布教のためにハワイに渡ってきた。当時、ハワイのハンセン病患者はモロカイ島のへき地カラパパへ隔離され、世話をする人間もいないためひどい暮らしをしていた。布教活動を行うなかでこれを知った神父はモロカイ島への派遣を志願し、患者の世話をはじめた。

しかし健康な神父と患者の間に壁があり、なかなかその距離は縮まらなかった。やがて施設が充実し、8代目ハワイ王国女王リリウオカラニの施設訪問などがある中で、ダミアン神父とライ病患者の距離は縮まり、患者の暮らしは改善されていった。しかし1884年、神父自らもハンセン病にかかり、「これでようやく患者達と同じ立場になれた」と喜びを得るものの、5年後の1889年にその生涯を閉じた。この銅像は2009年にローマ法王によって聖人となった、聖ダミアンを称えてたてられたものだ。

ハワイ州政府ビルとダミアン神父像/The State Capitol&Father Damian Statue アクセス+店舗情報

ハワイ州政府ビルとダミアン神父像/The State Capitol&Father Damian Statue

住所:
415 S Beretania St, Honolulu
電話番号:
808- 586-0178
営業時間:
8:00~16:30
定休日:
土曜・日曜、祝日
URL:
http://www.capitol.hawaii.gov/

カヴァイア・ハオ教会/kawaiahao Church

カヴァイア・ハオ教会/kawaiahao Church

「ハワイのウェストミンスター寺院」との異名を持ち、ハワイでのリゾートウエディングにも日本人カップルに人気の「カヴァイア・ハオ教会」。1842年にニューイングランドの宣教師が建てたプロテスタントの教会で、ハワイ州の重要文化財に指定されているオアフ最古の教会である。ハワイ王族の戴冠式や結婚式も行われ、現在でも日曜日にはハワイ語と英語で礼拝が行われている。

「カヴァイア・ハオ」という名前は、ハワイ語で「ハオ王女の神聖な泉」という意味で、これは教会が建設される前にあった泉のことである。王族の女性ハオが、住んでいるモイリイリからたびたび身を清めに来ていたという伝説が伝えられている場所だが、この泉を埋め立てて教会が建てられたことから「カヴァイア・ハオ」と名づけられた。

カヴァイア・ハオ教会/kawaiahao Church

カヴァイア・ハオ教会/kawaiahao Church

教会の庭には泉が作られているが、これはハオの泉を模したもので、その岩は元々の泉の周りにあった岩を移したものである。またこの建物は当初茅葺きで建てられたが、焼失や嵐などで4度の被害に遭ったことや、古代ハワイの王族が崖の洞窟や珊瑚に覆われた海底の洞窟に葬られたという歴史があることから、外壁に1万4000個の珊瑚礁の石が使われた。当時はこの珊瑚の石がハワイで最も頑丈な外壁材であり、その外壁は夕日を浴びて美しく色が変化することでも知られている。2500本ものパイプが使われ、荘厳な音色を響かせるパイプオルガンが2階にあるこの教会は、観光客でも自由に見学ができる教会である。

カヴァイア・ハオ教会/kawaiahao Church アクセス+店舗情報

カヴァイア・ハオ教会/kawaiahao Church

住所:
957 Punchbowl St, Honolulu
電話番号:
808-522-1333
営業時間:
9:00~16:00
定休日:
無休
URL:
https://www.kawaiahao.org

リリウオカラニ銅像/The statue of Queen Liliʻuokalani

リリウオカラニ銅像/The statue of Queen Liliʻuokalani

「リリウオカラニの銅像」は「ハワイ州政府ビル」の裏手、「イオラニ宮殿」を背にしてたつハワイ王国最後の女王の像だ。第7代の王カラカウアの妹として1838年に生まれた彼女は、1891年に病気のためカラカウア王が亡くなると第8代の女王に就任した。当時のハワイは白人資本家の権力が強かったため、米国が真珠湾を占有し軍事に利用するなどハワイアンと白人の間での対立も多かった。

1893年、リリウオカラニは王権を強くする憲法を発布しようとしたが、白人資本家や欧米の権力者達によって、安全委員会が設置され、新たに政府が作られハワイ共和国が樹立した。この結果リリウオカラニ女王はイオラニ宮殿に半年以上にわたって幽閉され、ハワイ王国は滅亡した。聡明な彼女はピアノやギター、ウクレレを演奏し、有名なハワイアンソング『アロハ・オエ』や『女王の祈り』など数百の曲を作詞、作曲した事でも知られている。加えてハワイ王国の創世神話とされる『クムリポ』の英訳などの著作も数多く残している。

リリウオカラニ銅像/The statue of Queen Liliʻuokalani

その為、1982年にたてられたこの銅像でもそれらの著作物や、発布されることのなかった新憲法を手にしている。2017年にはリリウオカラニ女王の没後100周年を記念する式典が開催され、この像の周囲ではカヒコ(古典)フラやチャントが捧げられ、レイなど多くの贈り物が捧げられた。今でもリリウオカラニ女王は多くのハワイアンに人気のある女王なのだ。

リリウオカラニ銅像/The statue of Queen Liliʻuokalani アクセス+店舗情報

リリウオカラニ銅像/The statue of Queen Liliʻuokalani

住所:
415 S Beretania St, Honolulu
営業時間:
24時間
定休日:
無休

ロイヤル・ハワイアンバンド/Royal Hawaiian Band

ロイヤル・ハワイアンバンド/Royal Hawaiian Band

1836年、ハワイ王朝専属の楽団としてカメハメハ三世によって創設された「ロイヤル・ハワイアンバンド」。現在もホノルル市営の楽団として活動しており、創立180年を越えるアメリカでは最も歴史のある楽団のひとつ。団員はホノルル市の職員として誇りを持って演奏活動を行い、年間300以上のステージをこなしている。

定期的にライブ演奏が行われ、カピオラニ公園やダウンタウンでは、楽団による演奏とともにフラなども披露されているが、この伝統を受け継ぐ優雅で迫力ある演奏は誰でも無料で楽しめる。ダウンタウンの演奏はイオラニ宮殿の裏にある広場で毎週金曜日の正午から開催されており、3人の楽団員が吹き鳴らすホラ貝から始まり、演奏曲は15曲ほど。プログラムにはハワイの州歌「ハワイポノイー」や「アロハ・オエ」などの有名曲もある。

ロイヤル・ハワイアンバンド/Royal Hawaiian Band

古くからの地元のファンが多く、早くから演奏を聴きに訪れている。楽団のスケジュールによっては開催されないこともあるので、詳しい演奏スケジュールは公式サイトの「CALENDAR」でチェックしてから出かけるようにしたい。ハワイの美しい青空の下、伝統の楽団による歴史あるハワイアンソングをのんびりと聴くのも、ハワイ旅行のよい思い出となるだろう。

ロイヤル・ハワイアンバンド/Royal Hawaiian Band アクセス+店舗情報

ロイヤル・ハワイアンバンド/Royal Hawaiian Band (イオラニ宮殿コンサート)

住所:
364 S King St, Honolulu
電話番号:
808-922-5331
営業時間:
金曜 12:00~13:00 (不定期)
定休日:
無休
URL:
https://www.rhb-music.com/?page_id=11

ダウンタウンの歴史あるスポットを5つ紹介したが、このエリアにはハワイの歴史を知るうえで重要なスポットがまだまだ数多い。オアフ島を訪れたら、ダウンタウンへ足を伸ばしてハワイの歴史に触れてみれば、新しいハワイの魅力を見つけられるだろう。

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