ネイティヴハワイアンによる独立自治国「ネイション・オブ・ハワイ」とは?

ネイティヴハワイアンによる独立自治国「ネイション・オブ・ハワイ」とは?

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年間約150万人の日本人旅行客が訪れる人気の観光地、ハワイ。そのハワイを形作る幾つかの島々の中でも特に多くのツーリストが集まるオアフ島に、アメリカでもなく、ハワイでもない“独立自治国”があることを皆さんはご存知でしょうか?

それは今から25年前の1993年に誕生した『ネイション・オブ・ハワイ(ハワイ独立国)』。

通称『ランド・オブ・アロハ』と呼ばれるこの国の場所は、全米一美しいビーチとして知られるオアフ島東岸のワイマナロ地区にあり、バンピー・カナへレ元首のもと、ネイティヴハワイアンが独自のコミュニティを営み暮らしています。

まだそれほど多くの人には存在を知られていない、世界的に見ても珍しいこの国は一体いつ、どのようにして誕生したのでしょうか?

『ランド・オブ・アロハ・プロジェクト』の特命スポークスマンであり、『アロハ・ピース財団』の日本広報窓口を務める一栁雅之(いちやなぎ・まさゆき)氏にお話を伺いました。

知っておきたいハワイ州成立の歴史

1893年にハワイ王国がアメリカ合衆国に違法に転覆させられて消滅後、 ネイティヴハワイアンたちには、土地はもちろんのこと、言葉や仕事など大切に守り伝えてきた文化や生活習慣に至るまで、全てをアメリカに奪われてしまったという苦難の歴史があるのです。違法転覆後もアメリカ合衆国になることを強く拒否し続けましたが、1959年、ハワイはアメリカの50番目の州となってしまいます。そして、彼らとその子孫たちは貧困や差別など多くの困難と、今もなお向き合わざるを得ない状況に追い込まれてしまいました」

知っておきたいハワイ州成立の歴史
太古よりネイティヴハワイアンたちは、自然を敬い、自然とともに生きる暮らしを送ってきた。

失われたものを取り戻すための運動

「やがて、自分たちを長く取り巻いてきたこの苦境を打破しよう!という“SOVEREIGNTY(主権)ムーブメント”が、彼らの中に湧き起こりました。合衆国への併合以前に島々を統治していたハワイ王国の復興、そして奪われた土地を始めとする様々な権利や民族の誇りを回復しよう!という、この運動の先頭に立ったのが、ハワイ統一王朝の初代君主カメハメハ大王直系子孫のひとり、バンピー・カナヘレ氏でした。

運動への協力を呼びかけた他の先住民グループからは激しい反対を受けたにも関わらず、彼が信念を曲げることはありませんでした。今日まで40年間に渡って、平和主義・非暴力をモットーとした活動を一歩一歩地道に訴え続けて来たのです」

失われたものを取り戻すための運動
(右)「ネイション・オブ・ハワイ」のバンピー元首、(中央)今回お話を聞かせて下さった一栁氏、(左)バンピー氏の甥で右腕を務めるブランドン氏。

ついに勝ち取ったアメリカの謝罪

「1978年の活動開始から15年が経った1993年、大きな前進となる画期的な出来事が起こりました。当時のアメリカ大統領、ビル・クリントンがこの問題に関する交渉相手として、バンピー・カナヘレ氏を正式に指名。両者が直接交渉を行った結果、アメリカ政府は『かつて、アメリカ合衆国がハワイ王朝を違法に転覆したこと』を謝罪する法案に正式署名するに至ります。この謝罪法が可決し、オアフ島東岸にあるワイマナロ地区の土地の一部がネイティヴハワイアンに返還され、その自治権が回復されました。こうして、彼らによるハワイ唯一の独立自治国『ネイション・オブ・ハワイ』が誕生し、その初代元首をバンピー・カナヘレ氏が務めることになったのです」

ついに勝ち取ったアメリカの謝罪
バンピー元首は語る。「我々の国ができた時には、苦労がやっと報われたと胸が熱くなった。同時にこれからが大変だと思ったよ。なぜなら、この運動には終わりがないのだから・・・」

世界平和を目指す、より大きな運動へ

「そして国の成立から18年後の2011年、バンピー・カナヘレ氏の元に強力なサポーターが現れます。アイルランド系アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、ハワイと日本に幅広い人脈を持つ事業家のジェナ・クローリー女史です。ある時彼女は、当時のことをこんな風に話してくれました。

『出逢った頃、バンピーは様々な怒りを持っていたと思う。でも元々ハワイアンは平和を愛する民族。怒りは何も生まないことを知っている。ならばその怒りを別の力に変えられないかしら?って話したの』

世界平和を目指す、より大きな運動へ
優しげな表情と柔らかな物腰のバンピー元首だが、その内側には常に熱い想いを秘めている。

ふたりは、ネイティヴハワイアンが心から大切にしてきた平和主義を、ハワイに留まらず全世界へと広げて行く活動を協力して行っていくこと、そしてそれを『ランド・オブ・アロハ・プロジェクト』と名づけ、この場所を世界平和の拠点にしよう!ということで想いが一致したのです」

モデルケースとしての「ネイション・オブ・ハワイ」

「世界平和を目指す活動『ランド・オブ・アロハ・プロジェクト』。

この『アロハ(ALOHA)』という言葉はよく耳にするハワイ語ですが、それは単なる挨拶の言葉ではありません。

“神の息、その前で”という根源的な愛を意味し、
それぞれのアルファベット、

A-アカハイ(Akahai)には思いやり、

L-ロカヒ(Lokahi)には調和、

O-オルオル(Olu Olu)には優しさ、

H-ハアハア(Haa Haa)には謙虚さ、

A-アホヌイ(Ahonui)には忍耐力という意味が、18世紀ごろまでは無文字文化だったハワイにアルファベットが登場してから当てはめられました。

どれもが平和の実現には不可欠なものであり、『アロハスピリッツ』とは、全ての存在は繋がっているという一元論の世界観で、平和へと繋がる“心のありよう”のことなのです。

それを実践する場である『ランド・オブ・アロハ』では今、文化・教育・医療・経済・産業・エネルギー・水・ゴミ問題・動物愛護・ミツバチ保護といった様々な分野で、自然と調和した人間本来のライフスタイルへの回帰を目指した複数のプロジェクトが進行しています。

人と自然が共存し、持続可能な循環型のコミュニティ創りを実現する。そして、その“身土不二”の生活をお手本として全世界に発信して行きたいと考えています。

活動の合言葉は“ポノ”、ハワイ語で『正す・元に戻す』という意味です。アメリカからネイティヴハワイアンへの土地の返還もそのひとつで、それは両者の関係を“ポノ”するということに他なりません」

ネイション・オブ・ハワイ
「ネイション・オブ・ハワイ」から望む雄大なコウラウ山脈には、大自然の計り知れないパワーを感じずにはいられない。

仮想通貨「アロハ・コインKK」誕生

「お蔭さまで日本人を始めとする多くの方々の協力を頂くことができ、このプロジェクトはいま着実に前に進んでいます。しかし『ネイション・オブ・ハワイ』は、国際的にはまだ十分に認知されているとはいえません。国として世界に認められる条件のひとつに、独自の通貨が必要であると私たちは考えており、そこから始まったのが、『ネイション・オブ・ハワイ』が公式に基軸通貨を制定するプロジェクトでした。

しかし、硬貨や紙幣の発行には、高度な製造技術はもちろんのこと、大規模な施設と莫大な設備投資が必要です。そこで近年急速な普及を見せている、ブロックチェーン技術を採用した非中央集権型の仮想通貨(暗号通貨)、『アロハ・コインKK』を世に送り出すこととなりました。

話題のビットコインを始め、現在世の中にはおよそ1500種類以上の仮想通貨があると言われていますが、国家としてまず世界平和への揺るぎない意志を“量子物理学的に刻印”し、更に基軸通貨として認定したものは 『アロハ・コインKK』だけです。

そして今年(2018年)1月17日、私たちは『アロハ・コインKK』のICO(Initial Coin Offering)をスタートしました。

これは300万枚のコインを1枚=$100で公募し、購入希望者から調達した資金を『ランド・オブ・アロハ・プロジェクト』の維持・発展の為の活動に役立てるという一種のクラウドファンディングです。

1月17日が選ばれたのは、1893年にハワイ王国が一部の白人たちによって違法に転覆させられた日付だった為で、この日にICOがスタートしたことは大変に意義深いことでした。

今回のICOの大きな目的は資金調達ですが、それ以上に大切なことは『アロハ・コインKK』を通じて、より多くの方々にハワイ独立自治国『ネイション・オブ・ハワイ』の存在と、その活動主体である『ランド・オブ・アロハ・プロジェクト』について知って頂くことです。

そして皆さまがご自分の人生におけるミッションのひとつとして、“自分ごと”としてこのプロジェクトに賛同してくださるなら、私たちにとってこれ以上の喜びはありません」

アロハ・コインKK
今後「ランド・オブ・アロハ」では、自然豊かなこの土地に滞在、そこで育てられた作物を自ら収穫し食べることなどを通じて心身の浄化(ポノ)を促す、リゾート施設も建設予定だ。

◆「ランド・オブ・アロハ・プロジェクト」、「アロハ・コインKK」についてさらに詳しくお知りになりたい方は、以下の公式ウェブサイトもぜひご覧になってください。

http://landofaloha.net/index.html