【ハワイを楽しむ50の方法】Vol.14 汽車にゆられてのんびり サトウキビめぐり

【ハワイを楽しむ50の方法】Vol.14 汽車にゆられてのんびり サトウキビめぐり

今でこそ、すっかり車社会になっているハワイだが、19世紀後半からのサトウキビやパイナップルのプランテーションが盛んだった時代には、それぞれの嶋に収穫物や人荷を運ぶ鉄道が走っていた。やがて鉄道は農業従事者だけでなく、ロコや一般の観光客にも活用されるようになり、交通手段の中心に。ところが、1940年代になると車社会への移行が急速に進み、ハワイから交通手段としての鉄道は姿を消してしまった。けれど、そんな鉄道の面影を現在でもハワイ各地で見ることができる。

最も知られているのが、マウイ島を走るサトウキビ列車。今から約40年前、かつて実際にサトウキビ輸送に使われていた蒸気機関車を、観光用に復活させて運行を開始したのだ。

ルートはプウコリイからカアナパリ、そしてラハイナまでの片道約10km。約45分続く車窓からの眺めは、西マウイの美しい海岸線やサトウキビ畑などが次々と現れる。途中、ゆるくカーブした約100mの木橋の上では、水を撒いて人口の虹を見せてくれるという粋な演出も。この橋上からラナイ島と西マウイ山脈の全景を望むことができる。また、陽気なロコによる車内パフォーマンスも楽しみのひとつ。マウイ島の歴史や名所紹介、ギターと歌の演奏が行われ、ハワイアンソングを聞きながら、緑の山々や遠く海に浮かぶ島々の眺めを堪能できる。12月~4月のホエール・ウォッチングシーズンには、車窓から海で戯れるクジラたちを見られることもしばしば。ボートの上から見るのとはひと味違ったホエール・ウォッチングもこれまた楽しいものだ。一方、オアフ島にも昔の線路を走る列車がある。1889年から1947年まで、ホノルルのダウンタウンから西海岸経由でハレイワ~カフク間の運行をしていたオアフ鉄道・その線路を整備して、1970年からハワイ鉄道協会が毎週日曜の午後に列車を2往復走らせているのだ。出発点はエヴァのレイトン通り。この付近はサトウキビ工場跡などの歴史的な建物がある地域で、半ば壊れかかった客車や貸車、当時の機関車も見ることができる。エヴァを出発した列車はカポレイの住宅や工場地帯、そして原野を走る。特にユニークなのが、ゴルフ場の中を走ること。コオリナのホール間を走るとき、ゴルファーたちがクラブを止め、手を振ってくれることも。その後、海沿いにしばらく走り、カネ・ポイントで小休止したら折り返し。オアフ西海岸の風景を満喫できる小さな旅となる。

【Data】

サトウキビ列車(マウイ島)

Sugar Cane Train
住所:975 Limahana Place, #203 Lahaina, Maui
電話(808)667-6851
営業時間:ラハイナ発11:05、13:00、14:30、16:00
カアナパリ発10:25、11:55、13:55、15:25
休み:無休
URL:http://www.sugarcanetrain.com

 

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