栄養満点!ウル(パンの木)と神クーの伝説

栄養満点!ウル(パンの木)と神クーの伝説

ハワイの伝統植物の中で、主食の一つとして好まれていたウル。
ハワイ固有の植物ではなく、ポリネシア人によってハワイに持ち込まれたカヌープランツのひとつです。
今回は、その植物ウルと、神クーにまつわる神話をご紹介します。

豊かさの象徴、ウル(パンの木)

ウルは、パンの木やブレッド・フルーツの木と呼ばれています。実がパンのようだったのでこの名前が付いたようですが、実際の食感は、繊維質なサツマイモに似ています。
昔は、すりつぶしたり、蒸し焼きにしたりして、主食の一つとして好まれていました。
栄養価が高く、メロンほどの大きさになる実は、1個で成人男性の1日分の栄養素を賄えるとも言われていました。
また、たくさん実を付けるので、豊かさや裕福さの象徴ともされています。
ハワイアンキルトの伝統的なモチーフのひとつでもあります。
軽いウルの木材は、サーフボード、カヌー、ポイを作る台、パフドラム、家のドアなど様々な用途で使われ、樹液は糊、葉は木製のボウルなどを磨くヤスリなどとして、使われました。

ウルは、戦いの神クーの化身


四大神のひとりであるクーは、戦いの神として知られていることが多いのですが、農業や漁業、癒しなどの神としての側面も持っています。
ウルの木は、クーの化身のひとつであり、ビショップ・ミュージアムに展示されているクーの彫像は、ウルの木で造られています。
そんなウルの木とクーの関係を表す伝説をご紹介します。

神クーとウルの木の伝説

昔、ある村に神のクーが妻と子供たちと幸せに暮らしていました。
ある時、この村に雨が降らなくなり、ひどい飢饉が村を襲いました。
お腹を空かせている子供たちや村人たちを見て、心を痛めていましたが、実はクーは、この飢饉から人々を救う方法を知っていました。
しかしそれは、愛する家族との別れを意味していました。
日に日に弱っていく子供たちや村人たちを見ていられなくなったクーは、ある日決意をします。
家族に別れを告げると、地中深くに埋もれていきました。
翌朝、クーが埋まった地面から、一つの芽が出てきました。
みるみる大きなウルの木に成長すると、たくさんの実を付けました。
クーは、自分の身体と引き換えにして、たくさんの実で、家族や村の人々を救ったのでした。

mami(ふぉぎ☆)
著者:mami(ふぉぎ☆)
ホームページ「ハワイアンセラピーMakana aloha」
ブログ「mami(ふぉぎ☆)の小部屋」
ある時、導かれるようにハワイ島旅行へ。
帰国後すぐに出会ったマナ・カードに魅せられ、セラピストへの道を歩き始める。
現在は、愛知県を中心に、マナ・カード、ハワイアンカード、フラワーエッセンス、神話など、ハワイに関わることや 、植物の癒しに関わるセラピーや講座などを行っている。

関連する記事