【徹底解説】遺骨の一部だけが返還された!?ハワイをはじめて発見した「キャプテンクック」をご紹介

【徹底解説】遺骨の一部だけが返還された!?ハワイをはじめて発見した「キャプテンクック」をご紹介

参照:Wikipedia

世界中が憧れるリゾート、ハワイ。

この太平洋にぽつりと浮かぶハワイ諸島を西洋人としてはじめて発見した人物がイギリス人のキャプテンクックです。

今回は、彼とハワイ諸島発見後の彼がどうなったのかについて色々とお話しします。

3度目の航海でハワイ諸島を発見した

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キャプテンクックはイングランドのヨークシャーで農業労働者として働く父親と母親の元に生まれ育った、イギリスの海軍軍人で探検家です。

その生涯で3度の大きな航海に出航していますが、クックがハワイ諸島を発見したのは1776年から1780年に行われた3度目の航海でのこと。

航海の目的は「北米国大陸の北側に太平洋と大西洋をつなぐ北西航路が存在するのか」というものでした。

レゾリューション号を指揮していたクックは大西洋を南下し、喜望峰を回りニュージーランドを経てタヒチに立ち寄った後、北へ航路をとり、1778年1月18日にオアフ島、カウアイ島、ニイハウ島を確認します。

西洋諸国ではハワイ諸島の存在は知られておらず、クックは航海資金を援助していたサンドイッチ伯爵にちなんで「サンドイッチ諸島」と名付け、ハワイ諸島を発見した最初の西洋人となりました。

越冬のため戻ったハワイで原住民達と小競り合いに

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参照:Wikipedia

ハワイ諸島を発見したクックは1778年1月20日にカウアイ島のワイメア沖にレゾリューション号を停泊させます。

記録ではカウアイ島に接近した際にカヌーでこぎ出してきた島民達と遭遇し、船上から物々交換を試みたところ、彼らは鉄や釘に興味を示したと残されています。

再びアラスカに向け航海を続けるものの、氷山に阻まれ動けなくなると判断しハワイでの越冬を決断し、ハワイ島のケアラケクア湾に停泊します。

ちょうどこの時期ハワイはマカヒキと呼ばれるシーズン。

豊穣の神、ロノ神が白い布のようなものをたなびかせ大海の遙か向こうからハワイを訪れると信じられていたため、ロノ神に間違えられたクック船長一行は大歓迎で迎えられました。

翌年の2月、クック船長の乗るレゾリューション号は島民達に祝福されながら出航するものの、直後にマストが壊れて修理が必要となりケアラケクア湾に戻ります。

突然戻ってきたクック達に島民は彼らがロノ神などではないことに気がつきます。

ハワイの人たちが小艇を持ち去ろうとしたことがきっかけで小競り合いとなり、クック船長は銃で対抗したものの殺されてしまいました。

ロノ神と信じる一行によって隠されたクックの遺骨

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マカヒキの最後に行われるセレモニーでは、島を一周したロノは一度カヌーで沖合に出ますが、再び戻ってきて今度は王と戦う儀式が行われます。

当時の王カラニオープウはクックに対して最後まで友好的だったため、島民達がハワイの伝統儀式に忠実に行動したのかもしれません。

クック船長を殺害した島民達は習慣に乗っ取ってクックの死体から肉をそぎ落とし、その骨を保存しました。

果たしてそのクックの遺体はイギリスに戻ることができたのでしょうか。

実はこれについてはイギリス人宣教師ウィリアム・エリスが記録を残しています。

その記録によるとクックの死の翌日、カフナ(祈祷師)からイギリス側に返されたのはクックの手などごく一部だったそう。

その後イギリス側の再度の要請により頭蓋骨や腕、足の骨が返却されたそうですが、かなりの部分が欠けていたそうです。

どうやら最後まで見つからなかったクックの遺骨は、彼を未だにロノ神と信じている一部のの人々によってかくされたということのよう。

祖国に戻ったクックの遺骨は海軍によって正式に水葬を受けました。

クックの骨をロノのご神体と信じて拝み続けた人々。
白い布のような物をたなびかせてやってきたのが神なのか人なのか、最後まで葛藤があったのではないでしょうか。

クックがハワイ諸島を発見したことでイギリスをはじめとする西洋諸国やアメリカにその存在が知られるところとなり、ハワイはカラカウアによって統一されるなどその歴史が大きく動いていくことになります。

K@z
著者:K@z
LaniLaniでまとめ記事の執筆を担当しているフリーランス・ライターです。
毎年ハワイに渡るようになって、もう少しで10年目。
これまでの旅の経験や、まとめ記事では書けなかったこと。
ワークショップやカルチャーセンターで習ったウクレレやラウハラ編み、
ハワイアンキルトなどに関することも発信出来ればと考えています。
ハワイの画像のみをアップしているInstagramも更新中。

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