ハワイ島の田舎町ホノカアのメイン通りに面した素朴なカフェ

ハワイに住む日系移民のコミュニティを描いた2009年公開の日本映画、『ホノカアボーイ』の舞台として一躍注目を集めた、ハワイ島の北東に位置するローカルタウンのホノカア。気軽に徒歩で回ることができる小さな町のメイン通りママネ・ストリートには、映画にも登場する現役の映画館「ホノカア・ピープルズ・シアター」を中心にスモーキーピンクやモスグリーンのレトロな建物が並び、日本人の心にもどこか懐かしく感じられる素朴な温もりがあふれている。映画の中で主人公のレオも通っていた「シンプリー・ナチュラル」は、ショップやレストランが集まるメイン通りに面したセルフスタイルのカフェ。地元のローカルが生活の一部として通うこのお店にも、町の雰囲気と同様にのんびりとした時間が流れている。

オーガニック野菜たっぷりのサンドイッチやスムージーが人気

オーナーのリズさんは、生まれも育ちも地元という生粋のホノカアっ子。『ホノカアボーイ』の原作者・吉田玲雄さんとも親交があるという大の親日家で、誰に対してもフレンドリー。そのリズさんが、オーダーから調理までをほぼ一人で切り盛りしており、注文を受けてから作る野菜たっぷりのサンドイッチが自慢だ。ホノカアの南に位置するハマクアの農場で栽培された「ハマクア・マッシュルーム」をサンドした「ベジー・マッシュルーム・サンドイッチ」や、ツナとトマトの上にチーズがとろけたオープンサンドの「スパイシー・ツナメルト・サンドイッチ」などが特に人気。ほかにもスムージーやタロイモのパンケーキ、マンゴーとパイナップルベースのアサイーボウルなどが食べられる。

食後はアイスクリームを味わい、ハワイ島の絶景ワイピオ渓谷へ

店名の通り、シンプルでナチュラルな素材を使ったメニューが中心のこのお店では、卵や合成着色料などを一切使用せずに作られたアイスクリームも評判だ。取り扱っているのは、日系アメリカ人夫婦がハワイ島ヒロで1970年代に始めた、歴史あるアイスクリームショップ「ヒロ・ホームメイド・アイスクリーム」の商品。ホノカアから車で10分ほどのワイピオ渓谷への行き帰りに、こだわりのアイスクリームを求めて立ち寄る人も多い。「王家の谷」と呼ばれるワイピオ渓谷は、かつて王族たちが暮らし政治や宗教の拠点であったとされる聖なる土地。ハワイの歴史やハワイ島周辺の自然にも詳しいリズさんから地元の情報を教えてもらい、食事のあとは展望台から絶景が広がるワイピオ渓谷へ足をのばしてみよう。