日本を訪れた唯一のハワイ王「デビット・カラカウア」ゆかりスポットを巡る

日本を訪れた唯一のハワイ王「デビット・カラカウア」ゆかりスポットを巡る

ハワイの歴代国王の中で唯一日本を訪れたことのある、ハワイ王国第7代国王のデビット・カラカウア。今回はホノルルにある彼に関わりの深いスポットを5つ紹介しよう。

イオラニ宮殿/Iolani Palace

イオラニ宮殿/Iolani Palace

現在のイオラニ宮殿の場所には、元々はオアフ島の知事だったマタイオ・ケクーアナオアが建てた木造の建物が建っていた。これをカメハメハ3世が買い取ったことからハレ・アリイと呼ばれるようになり、カメハメハ4世がハワイ王国国王に就任してから「イオラニ宮殿」と呼ばれるようになった。カラカウアが国王になる頃には旧イオラニ宮殿は老朽化が進み修繕することも検討されていたが、カラカウアの命により古いイオラニ宮殿は取り壊され、同じ場所に現在のイオラニ宮殿が建設された。

カラカウア国王は内外にハワイ王国の繁栄を知らしめるため最新の設備を導入。館内に各部屋を結ぶ内線電話を導入し、敷地内に貯水タンクから水道管を引く水洗式のトイレを設置。エジソンが発明した電気式の照明設備を取り入れるためパリ万博に足を運んだ。

ハワイ王国滅亡後はハワイ共和国庁舎として使われていたが、正式にアメリカ合衆国の50番目の州になり新たな州庁舎が完成すると、宮殿の修復工事が進められた。現在では王国時代の姿を取りもどし内部の見学ツアーも開催されている。

イオラニ宮殿/Iolani Palace アクセス+店舗情報

イオラニ宮殿/Iolani Palace

住所:
364 S King St, Honolulu
電話番号:
808-522-0822
営業時間:
9:00~16:00
定休日:
日曜
URL:
http://www.iolanipalace.org

ホノルル動物園/Honolulu Zoo

ホノルル動物園/Honolulu Zoo

東京の上野動物園と同じくらいの敷地面積の園内で、約220種類の動物を見学できる「ホノルル動物園」。元々は動物園を含むダイヤモンドヘッドの裾野に広がる1.21平方キロメートルの王国所有地を、30年間のリースとして公共利用のために開放した土地だった。

この土地はカラカウア国王の王妃の名を冠した組合によって環境整備され、後にカピオラニ王妃公園となる。しかし公園となった後も、カラカウア国王はこの敷地の一部を自身の動物コレクションの飼育場所として使い続けた事に加え、公園内でフェスティバルが開催されることに伴って海外から動物が連れてこられたことが動物園の始まりといわれている。

ホノルル動物園/Honolulu Zoo

動物園を含むカピオラニ公園をホノルル市が管理するようになると、サルやライオンを購入し、正式にハワイ州唯一の動物園として営業するようになった。今では絶滅危惧種のアパパネなど、日本では見ることのできない動物も飼育されている。

ホノルル動物園/Honolulu Zoo アクセス+店舗情報

ホノルル動物園/Honolulu Zoo

住所:
151 Kapahulu Ave, Honolulu
電話番号:
808-971-7171
営業時間:
9:00~16:30
定休日:
無休
URL:
http://www.honoluluzoo.org

パールハーバー/Pearl Harbor

パールハーバー/Pearl Harbor

「パールハーバー」はハワイ語で「長い陸」という意味のプウロアと呼ばれ、Pipi(ピピ)と呼ばれる真珠貝の採取権をカメハメハ一世が独占、ハワイ王国の貿易に欠かせない場所だった。この場所がアメリカの軍事施設になっていくのは、ハワイ国王を選ぶ選挙に落選していたカラカウアが2度目の選挙に挑むことに始まる。

対抗する候補はカメハメハ四世の妻エマ。地元民に人気の彼女に選挙で勝つため、カラカウアは議会白人有力者の力を借りて国王となる。サトウキビ経営者が多い彼らの要請に従って、アメリカに砂糖を輸出する際の関税を無くし、アメリカの工業製品を無税で輸入する互恵条約を結ぶ。ところがこの条約の更新時、アメリカが条件として提示したのはパールハーバーの軍事利用独占使用権だった。

パールハーバー/Pearl Harbor

カラカウアは苦渋の決断をし、これを受け入れるしかなかったのだった。こうしてパールハーバーはアメリカの軍事施設として利用され、日本帝国軍の奇襲に端を発した太平洋戦争へと歴史は進んでいった。

パールハーバー/Pearl Harbor アクセス+店舗情報

パールハーバー/Pearl Harbor

住所:
Arizona Memorial Pl, Aiea
料金:
パールハーバーパスポート 大人$65 子ども(4〜12歳)$35
営業時間:
8:00〜17:00(各施設によって異なる)
定休日:
11月の第4木曜日、12月25日、1月1日
URL:
http://jp.pearlharborhistoricsites.org

カラカウア王 銅像/King Kalakaua Statue

カラカウア王 銅像/King Kalakaua Statue

選挙によってハワイ王国国王となった「カラカウア」。禁止されていたフラを復活させたことでも知られているが、日本人のハワイへの管約移民にも大きく関わっている。カラカウアは伝染病の蔓延で減少するハワイアンの人口減少と、それに伴う労働力の不足からサトウキビ農場の経営が難しくなっていることに頭を痛めていた。

同時にアメリカからの圧力に対抗するため、太平洋連合を視野に入れ世界一周旅行で日本を訪れる。この時一緒に提案されたのが「官約移民」だった。こうして1885年、汽船シティー・オブ・トウキョウ号で945名の日本人が初めて移民としてハワイに渡り、ハワイ王国が終わりを告げるまで2万9千人もの日本人がハワイに渡った。

カラカウア・アベニューとクヒオ・アベニューが交わるワイキキ・ゲートウェイ・パークにたつ「カラカウア王の銅像」は、「オアフ島日本人官約移民100年祭委員会」によって建てられたもので、その左手には明治天皇と交わした移民受諾に関する契約書が握られている。

カラカウア王 銅像/King Kalakaua Statue アクセス+店舗情報

カラカウア王 銅像/King Kalakaua Statue

住所:
2050 Kalakaua Ave, Honolulu
営業時間:
24時間
定休日:
無休

キングス・ビレッジ/Kings village

キングス・ビレッジ/Kings village

ワイキキの中央にあり、石畳の上に19世紀のホノルルの街並みに似せて建てられたショッピング・スポット「キングス・ビレッジ」。その名前からも想像できるように、この場所にはカラカウア王の別荘があったと伝えられている。当時この一帯にはヤシの林が広がり、その一角にはダンスフロアのある大きな木造2階建ての別荘が建ち、カラカウア王とカピオラニ王妃は、ここにゲストを招いてワルツを踊ったりフラを鑑賞したりしていたという。

キングス・ビレッジ/Kings village

カラカウア王が逝去した後、この別荘は王妃カピオラニが譲り受け、この別荘と共に所有する不動産を売却。その資産でカピオラニ病院を設立した。ショッピング・スポット「キングス・ビレッジ」となってからもカラカウア王のロイヤルパレス・ガードが着用していたレプリカユニフォームに身を包んだ衛兵の交代セレモニーが開催されていたが、1975年から続いたこのセレモニーも2014年に惜しまれつつピリオドを打った。現在この場所にコンドミニアム建設の計画があるものの、訴訟によって建設のめどは立っていない。

キングス・ビレッジ/Kings village アクセス+店舗情報

キングス・ビレッジ/Kings village

住所:
131 Kaiulani Ave Honolulu
電話番号:
808-926-7890
営業時間:
10:00~23:00
定休日:
無休
URL:
http://www.kings-village.com/shopping/

ハワイの伝統文化復興とインフラ整備に力を尽くした第7代ハワイ王国国王デビット・カラカウア。彼のゆかりの場所を訪ねてみれば、彼がハワイの人々にとってどのような国王だったのかが、少しは感じられるのかもしれない。

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