古都ラハイナで歴史を感じる観光スポット特集

古都ラハイナで歴史を感じる観光スポット特集

オアフ島ホノルルがハワイの首都とされる1845年まで栄えた都市がマウイ島のラハイナ。ラハイナとはハワイ語で「残酷な太陽」という意味で、その名の通り強い日差しが降り注ぐエリアである。かつて捕鯨の基地としても栄えたこのラハイナの、歴史に触れられるスポットを紹介しよう。

ラハイナ港/Lahaina Harbor

ラハイナ港/Lahaina Harbor

シュノーケリング・ツアーや冬期のホエール・ウォッチングクルーズ、さらにモロカイ島やラナイ島へ向かう船が発着する「ラハイナ港」。古代ハワイの時代には、この港のある周辺は「レレ」と呼ばれていた。「レレ」とはハワイ語で「カヌーや船の乗り降り」という意味で、ポリネシアの島々を出発した船が初めてマウイ島にたどり着いた場所が、このあたりだといわれている。

1810年にカメハメハ1世がラハイナに住まいを移し、彼の長男リホリホがカメハメハ2世として即位すると、ラハイナの街は正式にハワイの首都となり、ラハイナ港はハワイの主要な港となった。この年初めてアメリカの捕鯨船がラハイナ港に来港すると、1840年頃までラハイナはアメリカ捕鯨船団の基地となり、ますます栄えていった。1820年頃、アメリカのキリスト教宣教師が初めてマウイ島を訪れるが、彼らが船を降りたのもこの「ラハイナ港」であった。

アメリカ本土で石油の採掘が始まると捕鯨産業は衰退、それと共にラハイナ港も衰退すると思われたが、捕鯨産業に変わってサトウキビ産業が盛んになると、シュガーケインで運ばれたサトウキビがこの港からアメリカ本土などに輸出され、多くの移民がこの港からそれぞれのプランテーションへ向かった。 今では様々なクルージングやツアーの船の発着所となり、港の周辺にはカメハメハ3世が指示して建設された、鯨の脂を燃料にしたマウイ初の灯台「オールド・ラハイナ灯台」や、古代ハワイから神聖な石とされ、この石の上でハワイ王家の女性が子どもを産んだといわれている「ハウオラの石」など、見所も多い。ハワイ産業の歴史の中で重要な役目を果たしたこの港に立ち寄ってみて欲しい。

ラハイナ港/Lahaina Harbor アクセス+店舗情報

ラハイナ港/Lahaina Harbor

住所:
Lahaina Harbor
定休日:
無休

パイオニア・イン/Pioneer Inn

パイオニア・イン/Pioneer Inn

ラハイナ港の前に建ち、アメリカ系のホテルチェーン、ベストウェスタンの傘下となった「ベストウエスタン・パイオニア・イン」はマウイ島で最古のホテルとして知られている。このホテルはハワイ王国時代に建てられたものではないが、ハワイがアメリカの準州となった1901年に創業。これは「ワイキキのファースト・レディ」と呼ばれた「モアナ・ホテル」と同じ年の開業となり、ハワイ州でも古くから営業しているホテルである。

1960年代まで「パイオニア・イン」はラハイナ唯一のホテルであり、ラハイナのランドマークとして、ラハイナが捕鯨で栄華を誇った頃の佇まいを残し、ラハイナに残る62の史跡を巡る「ラハイナ・ヒストリック・トレイル」の中でも人気のスポットである。過去にはハワイ王国最後の女王リリウオカラニや、アメリカの大作家マーク・トウェインなどが宿泊した。

パイオニア・イン/Pioneer Inn

このホテルは、内装が改修され、今でも$145からとリーズナブルに宿泊できるホテルとして営業している。決して豪華ではないものの、当時の面影を残す客室は、多くの観光客が専用バルコニーや屋外のプール、さらにパイオニア・イン・バー&グリルで朝食やランチをノスタルジックな雰囲気の中で楽しんでいる。館内には1843年当時のラハイナ港の絵画も飾られ、ラハイナのゆったりと流れる時間を楽しめる。マウイ島宿泊の予定があれば、宿泊場所の候補に入れてみるのもよいだろう。

パイオニア・イン/Pioneer Inn アクセス+店舗情報

パイオニア・イン/Pioneer Inn

住所:
658 Wharf Street Lahaina
電話番号:
808-661-3636
定休日:
無休
URL:
http://www.pioneerinnmaui.com

ハレ・パアハオ(ラハイナ牢獄)/Hale Pa’ahao(Lahaina Prison)

ハレ・パアハオ(ラハイナ牢獄)/Hale Pa'ahao(Lahaina Prison)

1800年代後半、捕鯨船の基地として栄えたマウイ島のラハイナ。この街のプリズンストリートとワインウ・ストリートの角にあるのが、当時刑務所として使われていた「ハレ・パオパオ(Hale Pa’ahao)」だ。この「ハレ・パオパオ」とは、ハワイ語で「換金の家」という意味で、法を犯した捕鯨船の船員を収監したと伝えられている。

この牢獄が建設されるまで、囚人達は屋外にあった砦の牢獄に収監されていたため病気にかかるものが多かった。そこで医者が政府に働きかけ、1851年に刑務所に関する法律が議会を通過し、国王の承認を受けた。建設は囚人達の労働によって進められ、1953年に完成したこの牢獄は男性と女性の囚人を完全に分けて収監できるよう2棟の建物が建設された。また、脱走できないように十分な強度と高さを持つ塀で囲まれ、その建材にはラハイナ港近くの裁判所横にある砦の、当時最高の強度を持つサンゴの石が使われた。

囚人たちが過ごす牢屋は、壁に鉄製の拘束具が付いた部屋が並んでいる。当時、この牢獄に収監されたのは酒を飲んで暴れたり、暴力沙汰を起こした人をはじめ、酔っ払って船に戻らない船員や、馬に乗って街を暴走した人、さらに定められた安息日に働いた人など、比較的罪の軽い人々が多く、そのほとんどは数日で出所したといわれている。1853年に一度焼失したものの、その後この牢獄は再建され、現在は当時のラハイナを知ることができる博物館として公開されている。門の外には当時使われていたと思われる古びた自動車、T型フォード・ツーリング1923年型や、さらに鯨の脂を作る釜などが無造作に置かれている。

門から敷地内に入ると、緑が美しい中庭が広がるが、牢獄としてみればその規模は小さい。牢屋の入り口には鍵がかかっているので、囚人が収監された部屋に入ることはできないが、隙間から中を見ることはできる。入場は無料だが、入口に寄付の箱が置かれているので、この大切な史跡を維持するために少額でもかまわないので寄付をしてほしい。

ハレ・パアハオ(ラハイナ牢獄)/Hale Pa'ahao(Lahaina Prison) アクセス+店舗情報

ハレ・パアハオ(ラハイナ牢獄)/Hale Pa’ahao(Lahaina Prison)

住所:
187 Prison St, Lahaina
電話番号:
808-661-3262
営業時間:
10:00~16:00
定休日:
無休
URL:
http://lahainarestoration.org/hale-paahao-prison/

ラハイナ・バニアンツリーとラハイナ・バニアンコート/Lahaina Banyan Tree & Lahaina Banyan Court

ラハイナ・バニアンツリーとラハイナ・バニアンコート/Lahaina Banyan Tree & Lahaina Banyan Court

ラハイナのフロントストリート両脇のレストランやショップが途切れた場所にある「ラハイナ・バニアンコート」、そこにある大きな木が「ラハイナ・バニアンツリー」だ。このバニアンツリーとはベンガル菩提樹とも呼ばれるクワ科の植物で、ハワイの公園などで多く見られるイチジク属の樹木である。一見すると何本もの木かあるように見えるバニアンツリーだが、実際には一本のバニアンツリーで、大きく横に広がった枝から気根と呼ばれる長い根を伸ばし、地面に届いたものが幹となって成長していくためこのように見えるのだ。

「ラハイナ・バニアンコート」のバニアンツリーは、マウイ島ラハイナのキリスト教布教50周年を記念して1873年に植樹されたもので、現在高さ18m、2700㎡の木陰をつくるハワイ州では最大のバニアンツリーといわれている(ちなみに世界最大はインドのハウラー植物園のバニアンツリー)。「ラハイナ・バニアンコート」の港側には、捕鯨の全盛期に罪を犯した船員を裁く裁判所として建てられた「オールド・ラハイナ・コートハウス」があり、1825年に改築された建物の2階には、入場無料の「ラハイナ郷土博物館」があり、地元の歴史に関する展示が公開されており、こちらも見所が多い。

ラハイナ・バニアンツリーとラハイナ・バニアンコート/Lahaina Banyan Tree & Lahaina Banyan Court

マウイ島、ラハイナのシンボル「ラハイナ・バニアンツリー」のあるバニアンコートでは毎週金曜の16:00から地元の子どもたちのフラレッスンが開かれ、マウイ島のアーティストによる作品の展示、販売も行われている。付近のデザート店で買ったスイーツを「ラハイナ・バニアンツリー」の木陰で楽しむローカルや観光客も多く見かける。ゆっくりとした時間が流れるバニアンツリーの下で、マウイ島ラハイナののんびりした雰囲気を味わってみてほしい。

ラハイナ・バニアンツリーとラハイナ・バニアンコート/Lahaina Banyan Tree & Lahaina Banyan Court アクセス+店舗情報

ラハイナ・バニアンツリーとラハイナ・バニアンコート/Lahaina Banyan Tree & Lahaina Banyan Court

住所:
671 Front St, Lahaina
電話番号:
808-661-4685
営業時間:
常時開放
定休日:
無休
URL:
https://www.mauicounty.gov/facilities/Facility/Details/125

カメハメハ1世が居を構え、2世が首都としたラハイナには、捕鯨時代を主とする様々な歴史的なスポットがある。ラハイナは徒歩で巡っても1日かからない小さな都市なので、マウイ島を訪れたらぜひ足を運んで、マウイ島の歴史に触れてみて欲しい。

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