ハワイ島「神話」が語り継がれる観光スポット
数多くの神話が語り継がれているハワイ諸島。ビッグ・アイランドと呼ばれるハワイ島にも様々な神話が古くから伝えられている。そこで今回は、ハワイ島の観光スポットを神話と共に紹介していこう。
もくじ
アカカ・フォールズ州立公園/Akaka Falls State Park
ここはハワイ島最大の町ヒロから車で25分ほどの場所にあり、落差135メートルの豊富な水量を誇る滝だ。この美しい滝ができたいわれとなっている伝説があるので紹介しよう。この滝の下流近くにあるホノムの町には「アカカ」という名前の戦士がいた。
若くて背も高く、力も強い司令官の彼は、島中に名前が知られるほどの魅力的な人物だった。女性たちにも人気のあった彼には美しい妻がいた。ところがアカカは妻の留守中にレフアとマイレという2人の恋人の家を次々と訪れ、このことが妻へと知られてしまう。
司令官としての自分を心から支えてくれていた妻への罪悪感と、不貞を恥じたアカカは崖から身を投げてしまう。悲しんだアカカの妻が夫の名を呼びながら泣いた涙が「アカカ・フォールズ」になった。このアカカ滝のある周辺は植物が豊かな州立公園となっている。園内には一周800メートルほどのハイキングコースが整備され、アカカ滝の他、小さいながら美しいカフナ滝も見所となっている。
アカカ・フォールズ州立公園/Akaka Falls State Park
- 住所:
- Akaka Falls State Park, Honomu
- 電話番号:
- 808-961-9540
- 営業時間:
- 8:30~18:00
- 定休日:
- 無休
キラウェア火山/Kīlauea Volcano
ビッグ・アイランドを象徴する観光スポットのひとつといえば、現在も活動を続けている火山「キラウェア」だ。火山国立公園に認定されているこの一帯は、ユネスコによりハワイ州で唯一の世界自然遺産にも指定されている。キラウェアの噴火口にはハワイで最も人気のある女神といわれるペレが住んでいると言い伝えられ、様々なペレの神話が語り継がれている。
中でも有名なのはペレの妹ヒイアカと、人間の青年ロヒアウを巻き込んだ3角関係の物語。カウアイ島で若い酋長のロヒアウを見かけ、一目で恋に落ちたペレは、彼と一緒に住む場所を探そうと島々を渡り歩いた。ハワイ島の火山にその場所を見つけたペレは、妹のヒイアカにロヒアウを40日以内に連れてくるようにと頼むが、ヒイアカは他の神々に邪魔をされ、40日で帰ってくることができなかった。
ヒイアカが恋人を取ったと勘違いしたペレは2人をキラウェアの火口に立たせ炎に包んだ。こうして神であるヒイアカは生き延び、ロヒアウは死んでしまったという物語だ。このように気性の激しい女神ペレは、火山の石などを持って帰った旅行者にも呪いをかけるといわれているので、決して溶岩など持ち帰らないようにしよう。
キラウェア火山/Kīlauea Volcano
- 住所:
- Hawaii Volcanoes National Park, Volcano
- 電話番号:
- 808—985-6000
- 営業時間:
- 10:00~20:00
- 定休日:
- 無休
ワイピオ渓谷/Waipio Valley
幼少期のカメハメハ1世が時の権力者から身を守るために暮らした場所として知られる「ワイピオ渓谷」。他にも多数の王族が暮らしたことから「王家の谷」とも呼ばれ、今ではパワースポットとして訪れる観光客も多い。そのためこの谷には多くの神話が語り継がれている。
虹を伝ってこの渓谷に降りた農耕の神ロノは、谷に住む美しい女性カイアキニと結婚する。しかしロノはカイアキニが浮気をしていると思い込み殺してしまうが、彼女は浮気などしていないと言い息を引き取る。自分の間違いを悟ったロノはカイアキニのために祭りを行うようになり、その祭りがハワイに古くから伝わるマカヒキ祭りになったと伝えられている。
他にも谷の奥深い場所の土が赤くなっているのは、ハワイ四大神の一人カナロが、半神マウイを渓谷に投げ入れたときに、頭をぶつけたマウイの頭から流れ出た血のためだと伝えられている。この谷底には保険適用外となるためレンタカーでは降りられないものの、専用のシャトルが1日4便運航されている。
ワイピオ渓谷/Waipio Valley
- 住所:
- 48-5416 Kukuihale Road Kukuihale
- 電話番号:
- 808-960-1804(ワイピオバレー・シャトル日本語予約代行)
- 営業時間:
- 9:00~15:00
- 定休日:
- 日曜
ココナッツアイランド(モク・オラ)/Coconut Island (Moku Ola)
ハワイ島ヒロにある日本庭園リリウオカラニ庭園。ここから橋を渡って行けるのが「ココナッツアイランド」だ。古代ハワイアンには、罪人がこの島に逃げ込むと許され、周囲の海で泳ぐと病気が癒やされたことから癒やしの島として言い伝えられていた。この島の神話に登場するのは半神マウイだ。
ハワイ各地には、マウイがマナイイカラニと呼ばれる釣り針で引き上げようとして、8つに砕けた島のかけらがハワイ諸島になったと伝えられている。マウイは、ハワイの島々がもっと近づいていれば人々はもっと楽に移動できるのに、といつも考えていた。ハワイ島に住んでいた彼は、隣のマウイ島を引っ張ってこようと島中から力自慢の男たちを集めると、マウイ島に釣り針を引っかけて引っ張り始めたが、集めた男たちの一人が後ろを振り返ったため釣り針の魔法が解け、マウイ島は元の場所に戻ってしまったのだ。
この時マウイの釣り針に残ったマウイ島のかけらがココナツアイランドになった。パワースポットとしても知られ、ポケで有名なスイサンにも近いので、近くを訪れたら是非立ち寄って欲しいスポットだ。
ココナッツアイランド(モク・オラ)/Coconut Island (Moku Ola)
- 住所:
- 77 Keliipio Pl., Hilo
- 電話番号:
- 808-961-8311
- 営業時間:
- 随時
- 定休日:
- 無休
火山の島として知られるハワイ島ビックアイランドには、火山の神であるペレの神話だけでなく、多くの神々の神話が伝わっていることを知っていただけたと思う。ハワイ島を訪れる際にはこんな神話も覚えておけば、よりビッグ・アイランド観光を楽しめるだろう。