映画『モアナと伝説の海』のヒーロー「マウイ」の神話が語り継がれる3つの観光スポット

映画『モアナと伝説の海』のヒーロー「マウイ」の神話が語り継がれる3つの観光スポット

ディズニーのヒット映画『モアナと伝説の海』に登場した伝説の英雄「マウイ」は、ポリネシア神話で語り継がれてきた半神半人のヒーローだ。彼が活躍した神話はハワイにも残されている。今回はそんな彼の神話と、神話にまつわる観光スポットを3つ紹介しよう。

ハレアカラ山/Haleakala National Park

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標高3,055メートルのハレアカラ山はマウイ島の東に位置する火山。ハワイ語で「太陽の家」という意味のこの山は、日の出や日没の景色が美しいことに加え、頂上まで車で行けるので多くの観光客が訪れる。また空気が澄んでいるため星も綺麗に観測できるので、星空を観測するオプショナルツアーも数多く行われている場所である。

このハレアカラ山にも「半神マウイ」の神話がある。その昔、地面すれすれにあった天を英雄マウイが高く持ち上げてしまってからというもの、太陽は今よりも空を早く駆け抜け、さっさと寝床に帰っていた。そのため日照時間が短くて作物は育たず、マウイの母であるヒナがカパの生地(樹皮布)を作ろうとして樹皮を乾かそうとしても、全く乾かず困り果てていた。

これを知ったマウイが太陽を懲らしめようと訪れたのが、太陽が暮らすハレアカラ山だった。いつものように16本の足で空を駆け抜けようとする太陽が現れると、身を隠していたマウイは太陽の足を次々とロープで縛り上げていった。それでも必死に逃げようとする太陽に、マウイが斧で切りつけると、太陽は「何でも言うことを聞くから、命だけは助けてください」と謝った。マウイは太陽にもっとゆっくりと動くことと、夏と冬で動く早さを変えることを約束させたのだった。

こうして太陽は今の早さになり、人々は安心して暮らせるようになったという。ハレアカラ山で美しいサンライズやサンセットが見られるのも、半神マウイが太陽を捕まえたおかげなのだろう。

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ハレアカラ山/Haleakala National Park アクセス+店舗情報

ハレアカラ山/Haleakala National Park

住所:
Haleakala National Park
電話番号:
808-572-4400
営業時間:
8:00~16:00(ビジターセンター)
定休日:
無休
URL:
www.nps.gov/hale/index.htm

レインボー・フォールズ/Rainbow Falls

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ハワイ島の観光名所のひとつとして知られている「レインボー・フォールズ」は、ハワイ語でワイアヌエヌエ(水の中に見える虹)と呼ばれている。その名の通り、この場所では滝と虹を一度に見られるスポットとしても知られている。落差24mの滝は落水量が多く、滝つぼの直径は30mもある。この滝には数多く神話が語り継がれているが、その中からマウイと彼の母のヒナが登場する物語を紹介しよう。

この「レインボー・フォールズ」にある洞窟にはマウイの母親で女神のヒナが住んでいた。彼女はこの場所でカパと呼ばれる樹皮布を作っていたが、滝のあるワイルク川には「モ・オクナ」という巨大なトカゲが住みつき、川に岩を落として氾濫させては、ヒナの作業を度々じゃましていた。

ある日「モ・オクナ」が巨大な岩を落としたため川はせき止められ、ヒナの住む洞窟も水没しそうになった。危険を感じたヒナは息子のマウイに助けを求めた。マウイはカヌーを使って住んでいたマウイ島から駆けつけると、巨大な岩を破壊して母親のヒナを救ったのだった。一部始終を見ていた大トカゲは下流に逃げ、深い穴の中に隠れてしまったが、マウイは隠れていた「モ・オクナ」を見つけ出し、火の神ペレに頼んで川に溶岩を流して大トカゲを退治すると、その死体をハワイ島の海へ投げ捨てたという。

ワイルク川上流の「モ・オクナ」が退治された場所には「ワイルクリバー・ボイリングポッツ・ステートパーク(Wailuku River Boiling Pots State Park)」という公園があり、水量があるときには階段状になる川があり、水泡が絶えなく沸く様子を見られることもあるそうだ。

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店舗名店舗名店舗名 アクセス+店舗情報

レインボー・フォールズ/Rainbow Falls

住所:
40 Rainbow Dr, Hilo
電話番号:
808-961-9540
営業時間:
随時
定休日:
無休
URL:
https://hawaiistateparks.org/parks/hawaii/wailuku-river-state-park/

ココナッツ・アイランド(モク・オラ)/Coconut Island Moku Ola

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美しい弧を描くヒロ湾に突き出たワイケア半島にある「リリウオカラニ公園」。その先にある小さな島が「ココナッツ・アイランド」だ。罪を犯した古代ハワイアンはこの島に逃げ込むことでその罪が許され、周囲で泳げば病が癒やされたと伝えられた場所。ハワイ語でモオ・クラ(命の島)と呼ばれるこの島にも半神マウイの神話が語り継がれている。

大昔のハワイアンは島を移動するときにカヌーを使っていたが、時間がかかる上、嵐が来れば遭難することさえあった。これを知ったマウイは「8つの島がくっついていれば人々が苦労することがないのに」と考えた。当時マウイはハワイ島に住んでいたため、まずは隣のマウイ島をハワイ島の近くに引っ張ってこようと考えた。

ハワイ島の各地から力自慢の男たちを集めたマウイは、マナイイカラニと呼ばれる魔法の釣り針をマウイ島に引っかけると、釣り針に繋がった綱を引くカヌーに乗る男達に向かって「後ろを振り返らずにどんどん引っ張れ!」と命令した。男たちがカヌーを漕ぐとマウイ島はハワイ島にぐんぐん近づき、もう少しという時に男たちの一人が後ろを振り返ってしまったため、マウイ島は元の位置に戻ってしまった。マウイが「後ろを振り返るな」と命じたのは、釣り針の魔力が弱くなってしまうからだった。

この時マウイの釣り針に残ったマウイ島のかけらが、ヒロ湾のココナッツ・アイランドになった。今も橋を渡って行ける静かな島にはイスやテーブルもあり、のんびり過ごせる癒やしのスポットとなっている。

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ココナッツ・アイランド(モク・オラ)/Coconut Island (Moku Ola) アクセス+店舗情報

ココナッツ・アイランド(モク・オラ)/Coconut Island (Moku Ola)

住所:
77 Keliipio Pl., Hilo
電話番号:
808-961-8311
営業時間:
随時
定休日:
無休

その昔、島を釣り上げるのに失敗し、8つに裂けた欠片がハワイの島々になったという伝説の残る半神マウイ。彼の活躍はマウイ島だけでなくハワイ島にも神話として語り継がれている。今回紹介したスポットを訪れたら、映画『モアナと伝説の海』のマウイとも重ね合わせて、彼がどんな神だったのか想像してみるのも面白いだろう。

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