ハワイ王国の歴史とアメリカ唯一の「イオラニ宮殿」

ハワイ王国の歴史とアメリカ唯一の「イオラニ宮殿」

オアフ島ホノルルのダウンタウンにはアメリカ唯一の「宮殿」があります。ハワイが王国だった時代に造られた「イオラニ宮殿」です。

ハワイの王といえば同じくダウンタウンに銅像があるハワイ王国初代王のカメハメハ大王がよく知られていますが、この宮殿はカメハメハ大王が完成させたのではなく、1882年第7代カラーカウア王の時でした。

イオラニ宮殿は当時のイギリスのバッキンガム宮殿にもなかった電気設備、また水洗トイレ、電話などの設備もなされた至れり尽くせりの贅沢な建物だったそうです。

今回はそんなイオラニ宮殿を建てたにも関わらず完成後11年で滅亡してしまった、ハワイ王国の歴史について簡単にご紹介していきます。

ハワイが王国になるまで

ハワイ諸島は火山の島々。
もともと人がいなかったので広い南太平洋の島々から人が家族単位で移動してきて住み着いたのが、ハワイアンの祖先たち。それぞれの島にはそれぞれ王がいました。
それを統一したのが皆さまご存知の、カメハメハ大王。
カメハメハ一世は(のちのカメハメハ大王)西洋の白人から入手した最先端の武器を使って1810年ハワイ王国を打ち立てました。

ハワイ王国の王様って何人いたの?

ハワイ王国は1810年の建国から1894年の滅亡まで8人の王様がいました。
1810年の建国からわずか9年後の1819年に初代王のカメハメハ大王が逝去すると王の息子たちが若年ながら後を継ぎます。

カメハメハ2世:リホリホ
カメハメハ3世:カウイケアオウリ

と2世と3世はカメハメハ大王の息子が続き、その次に大王の孫世代の兄弟である、

カメハメハ4世:アレクサンダーリホリホ
カメハメハ5世:ロット・カプアイヴァ

となっています。ここでカメハメハ直系が途絶え、選挙で選ばれるようになりました。

第6代:ルナリロ王
第7代:カラーカウア王

ここで、7代目のカラーカウア王が静養に出かけたアメリカで亡くなってしまったため王位指名されていた王の妹のリディアが「第8代:リリウオカラニ女王」となりました。
しかし、ここで王国は終焉してしまいます。

アメリカからの入植者の増加により、クーデターが起きたからです。
この辺りの家系図や、王族の歴史などはビショップ博物館のカヒリ・ルームの展示でもご覧いただけます。

ハワイアンの想い

西洋船が最初にハワイに来てからというもの、病気が持ち込まれたためにたった100年で、ハワイアンの数は4分の1に減ったと言われています。
その後キリスト教伝来により古代のハワイの暮らしは否定され、母国語であったハワイ語の使用も禁じられました。

結果先住民であったハワイアンは辛い思いを強いられ続けています。
最近ハワイ島マウナケア山で起きている「TMT問題」もこういった背景があるため解決までの道のりは長く非常に複雑な問題となっているのです。
TMTについてついてはこちら

女王生誕祭「オニパア・セレブレーション」

2019年の今年、8月21日はハワイがアメリカの州に昇格して60周年でした。
21日の前の金曜日が祝日となるため三連休だったのですが、2009年の50周年の時と比べて盛り上がりに欠けるように感じました。ハワイがアメリカになってしまった日、とも言えますので、おそらく先住ハワイアンへの配慮があったのではと思われます。

そして、9月2日はハワイ最後の王リリウオカラニ女王の181回目の生誕日。
イオラニ宮殿では9月1日に女王の生誕祭第13回「オニパア・セレブレーション ʻOnipaʻa celebration」が開催されました。

「オニパア」とは、リリウオカラニ女王のモットーで、「毅然とする」とか「揺るがない信念」のような意味のハワイ語です。イベントは宮殿の庭で行われ、フラやハワイアンミュージックやクラフトショップなどでたくさんの人で賑わいました。
この時期にハワイ滞在中でしたらぜひイオラニ宮殿へ足を運んでみてくださいね!

イオラニ宮殿 アクセス+店舗情報

イオラニ宮殿

住所:
364 S King St, Honolulu, HI 96813
電話番号:
+1 808-522-0822
営業時間:
9時00分~16時00分
定休日:
日曜

マルヒア・コジマ
著者:マルヒア・コジマ
ロケラニ・ハワイアン・カルチャー・ラボ主宰 ふと手にした"マナ・カード ハワイの英知の力"をきっかけに古代ハワイへの探求がはじまり、今や古代だけでなく、ハワイの文化・歴史・神話・雑学を、大学の特別講義や各地のカルチャースクールなど、飛び回り語っています。ありがたいことに、はや14年。 約5,000件のサンプルから統計を取った、独自のマナ・カードの解釈を理論的に教えており、日本だけでなく現地ハワイにも生徒を持つマナ・カード講師の顔と、 そのマナ・カードを使ったセラピーでは、世界各地にクライアントが存在する、行列の出来る熱血マナ・カードセラピストでもあります。 古代ハワイの叡智(フナ)を残していく事に情熱を傾けています。 ブログ  マナ・カードとハワイアンカルチャー インスタグラム

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