
1972年にハワイにオープンした老舗和食レストラン「踊り子」がその歴史に幕
ロコにも観光客にも人気があるハワイの和食レストラン「踊り子」。50年以上にわたってハワイで日本食を提供してきたこの老舗がその歴史に幕を閉じることになりました。
1972年ワイキキにオープンした和食処
1972年、イリカイホテルに踊り子の前身となるレストラン「舞妓」がオープンしました。
創業者は1964年に大きな夢を抱いて仙台からハワイに移り住んだ武井伸光さんです。
伸光さんはその後もいくつかのレストランを創業し大成功を収めました。
そんな彼がワイキキにあったショッピングスポット、キングスビレッジ内にオープンさせたのが、和食を提供するレストラン「踊り子」です。
6:00から24:00まで営業しているレストランでは、ハワイ近海で採れる新鮮な魚貝を使った刺身や、お寿司、和定食、鍋料理など、上質で美味しい日本料理を提供。
寿司バーやダイニング、個室など200席ある店内は、ロコや観光客などでいつも賑わっている大人気店でした。
キングスビレッジの閉鎖によりワイキキから移転
踊り子が営業していたキングスビレッジはショップやレストランなど45のお店があり、月、水、金、土の夕方にはファーマーズマーケットも開催されていた、ワイキキの人気スポット。
ところが2018年、ヒルトン・グランド・バケーションズがキングスビレッジを閉鎖し、新しいタイムシェアの施設を建設することを発表します。
こうして2019年1月30日にキングスビレッジが閉鎖されることが決定し、踊り子も閉店することになりました。
キングスビレッジで営業を続けられなくなってしまった踊り子でしたが、2015年10月、アラモアナセンター近くの新しいロケーションに移転しリニューアルオープンを果たします。
またこの時経営も、武井伸光さんと明子夫人の息子と娘、ヒロさんとリエさんの兄妹へと受け継がれました。
新たな経営者となったお二人は、お店のコンセプトを、「訪れたお客さん達が忙しいライフスタイルからしばし逃避してホッとできる場所=Escape(逃避できる)」、「ホノルルの3つのNPOとパートナーシップを組み、売り上げの一部が寄付される特別メニューを提供する=Engage(繋がる)」、「五感を呼び覚ますような魅力あるメニューの提供=Indulge(熱中できる)」という新たなものとし、以前にも増して人気店となりました。
閉店を発表し50年の歴史に幕
ローカルからの支持も多く、若い日本人観光客も大勢訪れていた踊り子でしたが、お店の公式サイトとSNSで閉店することを発表しました。
この発表では2022年12月24日が最後の営業日になること、そしてすべてのお客さんや従業員、さらにコミュニティにも感謝するとのコメントも書かれていました。
閉店の理由についてはコメントされていませんでしたが、新型コロナウィルスなどによる日本人観光客の減少や、ハワイの物価高騰なども関係しているのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの流行以来、ハワイでは数々の老舗店がその歴史に幕を下ろしています。
50年もの歴史を持つレストランが閉店してしまうのは、とても寂しいですね。