一度は見たことのある絵も!ハワイの著名な歴史画家「ハーブ・カネ/Herb Kane」をご紹介

一度は見たことのある絵も!ハワイの著名な歴史画家「ハーブ・カネ/Herb Kane」をご紹介

ハワイの文化や歴史を描いた歴史画家ハーバート・カワイヌイ・カネ氏、通称ハーブ・カネをご存じでしょうか。
今回は郷土研究家、作家、建築家としても知られているハーブ・カネについてお話しします。

ポリネシア航海カヌーの絵が歴史画家としてのスタート

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ハーブ・カネ氏は1928年にミネソタ州で仕事をしていた中国系アメリカ人の父親と、デンマーク系アメリカ人の母親との間に生まれました。

祖父がハワイで農家を営んでいたため、ハワイとウィスコンシンとを行き来して成長しました。

彼に大きな影響を与えたのは、7歳の時にハワイ島ヒロで行われていた絵画展でみた、ハワイ出身の有名な画家ハワード・ヒッチコック氏が描いたキラウェアの絵だといいます。

また、祖父や父親から聞いていたハワイの伝説やハワイで見た景色や文化も大きな影響を与えました。

成人して米国海軍に入隊した彼は、除隊すると軍人援護法でシカゴ美術館付属美術大学に入学。

さらにシカゴ大学で博士号を習得した後、広告代理店を経営しました。

その頃から購入したカタマランでミシガン湖のレースなどに参加するようになりました。

これがきっかけになりハワイのカヌーのリサーチを始め、ポリネシア航海カヌーの絵を14枚描きました。

この絵がビショップ博物館のケネス・エモリー博士の口添えもあって、ハワイ州文化芸術財団に購入してもらえたため、これをきっかけにホノルルに移住しました。

ハワイの至る所で見ることができる史実に忠実な絵画

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晩年は絵画の制作やそのリサーチに専念するためハワイ島に移り住んだカネ氏。

祖父や父親などの影響などもあってカネ氏はハワイの神話や文化にも造詣が深いものがあります。

また長い時間リサーチを行いその記録から彼が描くハワイアンは、髪型や体形、服装など細かなところまでリアルです。

おまけにビーチや森、ヘイアウなどの景色も正確に描かれていることから、ハワイの歴史研究家としても評価されています。

カネ氏が描いた絵画を見ることができる場所は非常に多く、オアフ島ではビショップ博物館やハワイ州庁舎、ロイヤルハワイアンホテル、アウトリガーホテルワイキキなど。

さらにハワイ島でもコートヤード・キング・カメハメハ・コナビーチホテル、フォーシーズンズ・リゾート・フアラライのカウプレフ・カルチャーセンターなどで見ることができます。

壁画制作で不思議な体験も

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史実に忠実に描いたカネ氏は不思議な体験もしているそうです。

キラウェア火山の裾野にあるカウ地区をリゾート開発するに当たって歴史センターを作ることになり、カネ氏はここで壁画の制作を行っていました。

夜作業をしていたときのこと、どこからかハワイ語で話す声が聞こえてきたそうです。

どうやら話し声はカネ氏が描いている絵画の中から聞こえてきます。

驚いて顔を上げると、描かれている酋長の一団が賑やかに話をしているではありませんか。

仕事のしすぎで疲れているのかなと思ったカネ氏は道具をしまい、その夜は自宅に戻りました。

翌朝作業を続けるために現場を訪れると、絵画はきれいに完成していたそうです。

この不思議な絵画のお話には続きがあります。
絵画が完成して2年後のこと、歴史センターがあるリゾート一体が津波に遭い、歴史センターや隣接するレストランなどが破壊されたという知らせがカネ氏にはいります。

カネ氏が壁画のことを訪ねると、責任者は「自分で見に来た方がいい、不思議なことがあるものだ」といったそう。

カネ氏が歴史センターを訪れると壁には泥の跡がつき、展示物や調度品は一方の壁に押し流されていたのに、壁画は全くの無傷でした。

どうして無傷だったのか分からなかったそうですが、「女神ペレのご意志に決まっているじゃないか」という誰かの一言に全員納得したそうです。

ハーブ・カネ氏の描く絵画は色彩豊かでダイナミックな筆遣いが特徴です。ご紹介したようにハワイの多くの場所で彼の作品に出会うことができるので、史実に忠実で緻密に描かれた作品をじっくりと鑑賞してみてくださいね。


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K@z
著者:K@z
LaniLaniでまとめ記事の執筆を担当しているフリーランス・ライターです。
毎年ハワイに渡るようになって、もう少しで10年目。
これまでの旅の経験や、まとめ記事では書けなかったこと。
ワークショップやカルチャーセンターで習ったウクレレやラウハラ編み、
ハワイアンキルトなどに関することも発信出来ればと考えています。
ハワイの画像のみをアップしているInstagramも更新中。

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