イオラニ宮殿の歴史を紹介！カラーカウア王とカピオラニ王妃の物語
オアフ島ホノルルの観光名所の一つといえば、ダウンタウンにあるイオラニ宮殿。
ハワイの歴史を知る上で、とても重要で貴重な場所です。
今回は、イオラニ宮殿を建てたハワイ王国第7代カラーカウア王と王妃のエピソードをお話します。
イオラニ宮殿の歴史
イオラニ宮殿は、1840年に前身となる建物が建てらました。
その後、カラーカウア王が当時では法外な額となる36万ドルをかけて今の建物にし、1882年に完成。
ヨーロッパの建築様式で建てられ、当時としては最先端の技術である水洗トイレや温水も出るシャワー、電話、電気などを備えた宮殿でした。
電気はホワイトハウスよりもいち早く取り入れられ、世界中の王室や皇族、国賓をこの宮殿でもてなしました。
宮殿内には王が集めたものや、世界各国の王室皇族からの贈り物など国内外の調度品がたくさんありました。
歴史的には、ハワイ王国の最後を見届けた場所ともいえます。
カラーカウア王
ハワイ王国第7代カラーカウア王は、1874年2月12日に王となりました。
「メリー・モナーク(陽気な王)」と呼ばれる彼は、音楽の才能に溢れ、発明家の顔をもち、王として世界初の世界一周に行くなど、新しい物事に敏感でした。
現在のハワイ州歌ハワイ・ポノイは、王の作詞によるものです。
また、新しいものだけでなく、ハワイの古くからの文化を後世に残す事にも尽力した王様です。
その一つが、キリスト教宣教師によって禁止されたフラの復活でした。
王の戴冠式や50歳の誕生日の祭典では、フラがお披露目されています。
カピオラニ王妃
カラーカウア王のお妃様は、カピオラニ王妃です。
ハワイでは、公園の名や病院の名前にもなっています。
彼女はカウアイ島の賢王、カウムアリイ王の血筋で由緒あるお家柄の出です。
18歳の時、かなり年上の王族ナマケハと最初の結婚をしますが死産を経験。
その後、当時の王カメハメハ4世とエマ王妃の子供、アルバート王子の乳母になるも、
夫のナマケハが亡くなり、可愛いがっていた王子までもが4歳で亡くなってしまいます。
そんな彼女を妻にしたのが、2歳年下のカラーカウア王。
当時はまだ王ではありませんでした。
彼がカピオラニ王妃をとても大切に思っていた様子が、資料の端々から垣間見ることができます。
王と王妃
二人が結婚したのは1863年末。
カメハメハ4世の喪中だったと言われています。
結婚式はひっそり行われたそうですが、カメハメハ4世の喪中でもあったことや、その前年には乳母をしていた王子も亡くしていたことから、多くの非難や批判があったと言われています。
その後の1874年2月12日、カラーカウア王は選挙で王になり、1879年のイオラニ宮殿の起工式はなんと、カピオラニ王妃の誕生日の12月31日に行ったそうです。
王の愛を感じるエピソードですね。
戴冠式
イオラニ宮殿は1882年11月に完成。
翌年1883年2月12日にカラーカウア王は、2週間に渡って戴冠式を執り行っています。
王冠は2年前に王が世界旅行へ出掛けた際にロンドンで作らせたもので、カピオラニ王妃のものは金に多数のダイア、オパール、真珠とエメラルド、ルビーが使われています。
戴冠式は国賓だけでなく貧富の差なく市民が参加できる式典だったため、ホノルルは大いに賑わったそうです。
式典は2週間続き、2月14日にはあのカメハメハ大王像がお披露目され、花火大会、ルアウ、舞踏会、競馬、ボートレースなどさまざまな催し物が行われました。
24日には5,000もの人が参加した盛大なパーティが宮殿で催され、夜更けまで260曲のフラが披露されました。
大盛況だった戴冠式から8年後、医者のすすめでカラーカウア王サンフランシスコに療養に出かけました。
カピオラニ王妃は、王を思って「カ レイ イポ マヌ Ka Ipo Lei Manu」という曲を作成しましたが、
王は聞くことなくこの世を去ってしまいます。
王妃はその後、歌詞を少し書き換え、無言の帰国となった最愛の夫を悼む歌にしたそうです。
1891年2月15日、イオラニ宮殿で王の葬儀が行われました。
ハワイ王国末期は悲しい出来事が多いですが、歴史も含めて、ぜひイオラニ宮殿へお出掛けください。
王妃や第8代リリウオカラニ女王のドレスは、数年前に始まった複製プロジェクトにより複製され、宮殿内に展示されています。
他にも、忠実に復元された戴冠式の時の豪華なドレスも見る事ができますよ。
イオラニ宮殿／Iolani Palace
- 住所：
- 364 S.King St.,Honolulu
- 電話番号：
- 808-522-0822
- 営業時間：
- 9:00～16:00
- 定休日：
- 日曜
- 著者：マルヒア・コジマ
- ロケラニ・ハワイアン・カルチャー・ラボ主宰 ふと手にした"マナ・カード ハワイの英知の力"をきっかけに古代ハワイへの探求がはじまり、今や古代だけでなく、ハワイの文化・歴史・神話・雑学を、大学の特別講義や各地のカルチャースクールなど、飛び回り語っています。ありがたいことに、はや14年。 約5,000件のサンプルから統計を取った、独自のマナ・カードの解釈を理論的に教えており、日本だけでなく現地ハワイにも生徒を持つマナ・カード講師の顔と、 そのマナ・カードを使ったセラピーでは、世界各地にクライアントが存在する、行列の出来る熱血マナ・カードセラピストでもあります。 古代ハワイの叡智(フナ)を残していく事に情熱を傾けています。 ブログ マナ・カードとハワイアンカルチャー インスタグラム