地震頻発でハワイ島マウナロア山頂エリアが閉鎖に
世界で一番の体積を誇るハワイ島の火山マウナロア。
今回は、周辺で地震が頻発し万が一の噴火に備えて山頂付近が閉鎖された、マウナロア山の話題をお届けします。
世界最大の活火山マウナロア
ハワイ州で人気のある高山といえば富士山(標高約3,776m)よりも高く、頂上に世界の天文台が集まるマウナケア(標高約4,200m)と、マウイ島にあるハレアカラ(標高約3,055m)の2つです。
一方、ハワイ州で2番目の標高を誇るマウナロア(標高約4,169)はマウナケアやハレアカラのように頂上までの道路がありません。
頂上まで行くためには車で中腹(約3,399m)にある気象観測所まで行き、急勾配で道路も荒れている往復8マイル(約12.8キロ)のトレイルを登らなければならないため、観光客になじみのある山ではありません。
ところが、ハワイ語で「長い山・広い山」の意味を持つマウナロアは日本の富士山の体積(およそ1,400㎦)の50倍以上、約75,000㎦㎞もの体積がある世界で最も大きな火山です。
そしてその面積もハワイ島の約半分を占める程広大な火山なのです。
火山周辺で大きな地震が頻発
2021年6月にフロリダ州マイアミ大学の研究者によって大噴火の兆しがみられると発表されたマウナロア。
実はその2年ほど前からマウナロアでは地震と地盤の膨張が続いていたことから、警戒レベルが「通常」から「勧告」に変更されていました。
6月には1日に発生する群発地震は最大10回ほどでしたが、10月6日までの2週間の間の群発地震はなんと1日50回までに増加。
10月14日午前9時ころマウナロアのふもとにあるパハラの南5マイル(約8km)の場所でマグニチュード4.6の地震が観測され、直後にマグニチュード5.1の2回目の地震が観測されました。
万が一の噴火に備え頂上付近を閉鎖
24時間で65回もの地震が記録されるようになったマウナロア。専門家はその活動が活発になっていると判断しました。
マウナロア山が最後に噴火したのは1984年のことで、今のところ差し迫った噴火の危険性はないとしているものの、アメリカ地質調査研究所は記録の更新頻度を毎日行うことを決定しました。
さらに10月5日にはアメリカ地質調査研究所は予防的な措置としてマウナロア山頂の一部の閉鎖を決定し、今後も群発地震や地震波などの監視を注意深く行っていくと発表しました。
あわせて、国立公園の敷地内にあるマウナロアロードと、標高約2,200mにあるマウナロアの展望台の一般公開は引き続き行われると発表されています。
マウナロアが最後に噴火した日の10日前には1時間で5回から10回もの地震が起こったのだそうですが、現在のところまだそれほどの頻度での地震は起きていないとのこと。当局では万が一の場合に備えて噴火が起こった際の溶岩が流れる方向を確認するほか、地域の住民に対して避難場所の確認をしておくように呼びかけています。