【ハワイ最新情報】今年度のグリーンフィー(Green Fee)導入は見送りに!
ハワイ州のグリーン知事が昨年末の選挙で公約に挙げていた「グリーンフィー」。導入が進められていたこの新しい政策が、今年度は見送りなる事が分かりました。
グリーンフィーとは
ハワイで話題になっている「グリーンフィー」とは、ハワイを訪れる15才以上の観光客から、「ビジターフィー」として$50を徴収しようという案のことです。
ハワイでは海岸の浸食やサンゴの白化などを防ぐための、自然環境保護の費用が年間470億円ほど不足しているといわれていますが、その費用の一部をこのグリーンフィーでまかなおうというものです。
また、一度ビジターフィーを支払えば1年間の有効期限を設けるというアイディアも出されていました。
ニュージーランドやモルディブ、パラオ共和国など、ハワイ以外の国々では導入されている国もあり、ハワイでも導入されるのか注目されていました。
下院で妥結できず今年度の導入は見送りに
住民への世論調査や公聴会などでは圧倒的な支持を受けていたグリーンフィー。
ところが法案の施行に関する意見の相違を解決することができなかったために、今年度の導入が見送られ、来年度以降も再び議論を続けていくことになりました。
グリーンフィーに関しては観光業界からの反対も激しく、旅行者を混乱させ、ハワイへの訪問者を減少させてしまうのではないかという懸念も。
またホテル業界から、「この法案の背景には、旅行者はハワイの選挙に投票しないし、グリーンフィーを導入してもハワイに旅行に来るという思い込みがある。税収を上げるためにハワイの第一の産業である観光業を利用しているだけ。」という意見も出ています。
30%もの高い宿泊税をすでに支払っているという批判の声も多く、州議会が今年度の導入を見送りにしたのは、こうした反対意見を取り入れたのかもしれません。
今後も議論が続けられていく予定
ダイヤモンドヘッドやハナウマ湾自然保護区など、入場料を徴収し、観光客に環境維持のための費用を負担してもらうという制度をスタートさせているところもあります。
こうした動きはハワイ島やマウイ島の公園などにも広がりをみせていて、今後も増えていくことが予想されています。
今後ハワイの環境を守っていくためにはそれなりの費用が必要となることは間違いが無く、グリーンフィーに賛成派のなかには、年間$50では少ないという考えを持つ議員もいるとのこと。
今年度の導入は見送られたものの、来年度以降の議論にも注目が集まることは間違いないでしょう。
豊かな自然はハワイの大きな魅力の一つで、その自然が守られないとハワイ全体の魅力が低下してしまうのは事実です。ただ観光客だけにすべてを押しつけるのではなく、上手な方法を探していってほしいものですね。