【徹底解説】ハワイの海は潮の香りがしないのはなぜ?ハワイと日本の海の違い
初めてハワイに行ったとき、「なぜ海が近いのに日本のように潮の香りがしないんだろう?」と思いましたが、同じように感じた方も多いのではないでしょうか。
今回は、ハワイではなぜ潮の香りがしないのかをまとめてみました。
そもそも潮の香りとは?
日本の海ではなぜ潮の香りを感じるのかという理由の前に、「臭いの元」を調べてみました。
「潮の香り」と呼ばれる「臭いの元」は海の植物性プランクトンの死骸から発生する「ジメチルスルフィド(DM)」という成分です。
これがなんと、お口のいやな臭いの元となる成分で、大気中に放出されると雲を作る働きがあるといわれています。
このジメチルスルフィドの放出を把握することで地球の気象を知ることができるため、色々な研究が進められているようですよ。
さて、日本の急で短い川に流され、植物プランクトンは海に放出されます。
この植物性プランクトンを海洋プランクトンが食べると植物性プランクトンは消化されて排泄され、死骸になってあの潮の香り、ジメチルスルフィドを出すという流れです。
なぜハワイでは潮の香りがしないのか
それでは、なぜハワイでは潮の香りがしないのでしょうか。
ハワイには急な川はありますが、川そのものがほとんどありません。
こうなると、植物性プランクトンは海に出ることができず、動物性である海洋プランクトンもエサがないのであまりハワイにはいないんです。
そのため、ハワイの海は透き通っていてきれいで、潮の香りがしません。
ハワイに行く時に窓から外の景色を見ていると、日本の海は深緑色をしているのにハワイの海がブルーに見えるのも、プランクトンの量が日本とハワイで違うからなのです。
日本の海にはプランクトンが多く、光が反射したり吸収されて緑色っぽく見え、ハワイにはプランクトンが少ないうえ、海をきれいに保つ珊瑚礁が多いため、きれいなブルーに見えます。
プランクトンを餌にするハワイ島のマンタの食べ物は?
ここで疑問に思ったのが、ハワイにはプランクトンが少ないのに、ハワイ島にはなぜプランクトンを餌にするマンタが来るのか。
ご存じのとおり、ハワイ島ではマンタを見学するツアーなどが行われていて、100パーセントに近い確率でマンタを見ることができます。
実は、マンタがハワイ島に集まる理由は科学的にはまだ解明されていないようです。
ただし、光に集まるプランクトンを食べにやってくるのは間違いなく、マンタが見られるハワイ島の海には動物性プランクトンが豊富にいるということです。
2018年のキラウェアの火山噴火では深海の栄養分が攪拌され浅い海に沸き上げられ、ハワイ周辺で植物性プランクトンの爆発的な増殖が起きているという研究結果も発表されています。
ハワイ島は今も火山の活動が続いている島なので、そのあたりも関係があるのかもしれませんね。
数年前訪れたコオリナで潮の香りを感じましたが、1日だけで他の日には感じませんでした。
異常気象や色々なことが重なって、ハワイの海も変化しているのかもしれません。
いつまでも美しいハワイの海が守れるよう、できることから始めていきましょう。