【徹底解説】ハワイのマウナケア山にある「すばる望遠鏡」とは?

【徹底解説】ハワイのマウナケア山にある「すばる望遠鏡」とは?

参照:Subaru Telescope

マウナケア山は標高が4205mあるハワイ州の最高峰。
山頂には世界各国の天文台が13基設置されており、そのうちの一つが日本、国立天文台のすばる望遠鏡です。

今回はこのすばる望鏡についてお話しします。

すばる望遠鏡とは

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参照:Subaru Telescope

すばる望遠鏡はマウナケア山山頂で1999年から観測を続けている国立天文台の大型望遠鏡。

「すばる」という愛称は公募されたなかから決められました。

この望遠鏡では、おおざっぱに分けると私たちでも購入できるような光学式の望遠鏡(その大きさは全く違いますが)による観測と、天体から来る赤外線を観測する赤外線望遠鏡での観測が可能です。

日本の技術を結集して作られたすばる望遠鏡は、アメリカが宇宙に設置したハッブル望遠鏡が200年かけないと観測できないような広範囲の宇宙をわずか1年で詳しく撮影することができます。

すでに観測を開始して20年が過ぎていますが今でも最先端の性能を持つ望遠鏡であり、新たな観測装置を組み合わせることで今でも進化を続けています。

すばる望遠鏡がマウナケア山山頂に設置された理由は晴天率が高く空気が乾燥し、大気が安定しており、周りに大きな町がないので光害の影響が少ないこと。

また標高が高いことで空気が薄く、天体から来る赤外線も良く観測できるという理由もあります。

世界最大級の反射鏡を持つすばる望遠鏡

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参照:Subaru Telescope

すばる望遠鏡には直径8.2mもある巨大な一枚鏡が使われています。

一般に販売されている反射望遠鏡の鏡がおおよそ直径10cmから30cmほどですから、いかに巨大な物なのかが分かります。

このつなぎ目がない巨大な鏡はアメリカで制作され、鏡面の仕上げはペンシルベニア州ピッツバーグにある現在使用されていない鉱山の跡を利用した地下工場で行われました。

その理由は温度が一定で鏡が膨張したり変形したりすることなく1万分の1ミリの精度で磨き上げることができるからです。

4年の歳月を費やして完成した鏡はピッツバーグを出発しミシシッピ川を南下。

パナマ運河を通ってハワイのカワイハエ港まで2ヶ月かけて運ばれました。

マウナケア山頂までは水平を保つ特別な車両で運ばれましたが、巨大な鏡を運ぶ運搬車は幅10メートルもあるため一般車両を通行止めに。

さらにマウナケア山頂までの狭い道路では、標識を一時的に曲げたり引き抜いたりし、山頂のドームまで14時間かけて運ばれ、設置されました。

様々な観測成果を上げているすばる望遠鏡

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参照:Subaru Telescope

マウナケア山頂に設置されたすばる望遠鏡。

山頂の施設では望遠鏡や周辺機材の調整などが行われ、観測はヒロにある山麓施設で行われています。

この望遠鏡と観測施設では星の誕生や死、木星や土星の新衛星、ビッグバンから7億年後の宇宙にある銀河の発見など、これまでじつにたくさんの観測成果を上げています。

また望遠鏡でとらえられた天体の鮮明で美しい姿は、すばる望遠鏡の公式サイトやツイッターで見ることができます。

これからも日本の科学や技術のレベルの高さを示し続け、私たちを果てしない宇宙の世界へといざなってほしいと思います。

マウナケア山頂に設置されたすばる望遠鏡では一般に向けた見学プログラムが開催されていましたが、現在は新型コロナ感染やそのほかの理由で残念ながら休止となっています。

YouTubeの朝日新聞宇宙部チャンネルではすばる望遠鏡から見たマウナケアの美しい星空の様子がライブ配信されているので、そちらも是非ご覧になってみてくださいね。

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▲ 【毎日14時~ 】おうちでハワイ・マウナケアからの星空を見よう!国立天文台と朝日新聞宇宙部がライブ配信をスタート|LaniLani

すばる望遠鏡公式サイトはこちら!
すばる望遠鏡公式Twitterはこちら!

K@z
著者:K@z
LaniLaniでまとめ記事の執筆を担当しているフリーランス・ライターです。
毎年ハワイに渡るようになって、もう少しで10年目。
これまでの旅の経験や、まとめ記事では書けなかったこと。
ワークショップやカルチャーセンターで習ったウクレレやラウハラ編み、
ハワイアンキルトなどに関することも発信出来ればと考えています。
ハワイの画像のみをアップしているInstagramも更新中。

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